近著に「百歳物語」
◇全県
作家の畑裕子氏(はた・ゆうこ、本名ひろこ)が三日、肺がんのため守山市内の病院で亡くなった。六十五歳だった。葬儀は六日、近江八幡市内で営まれた。
京都府大宮町(現京丹後市)の出身。奈良女子大学文学部国文学科卒業後、京都での教師生活を経て、昭和五十八年に滋賀県内に転居した。平成五年に小説「面(おもて)・変幻」で朝日新人文学賞、平成六年に「姥(うば)が宿」で地上文学賞。
京滋を舞台にした小説、文学紀行で知られ、歴史小説「浅井三姉妹物語 花々の系譜」、新書「江 浅井三姉妹と三人の天下人」などがある。三姉妹の一人、お江を主人公にしたNHK大河ドラマが放映された平成二十三年には、滋賀報知新聞社主催の新春座談会に登壇し、強くしなやかに生き抜いた戦国時代の女性像を語った。
また東日本大震災を受けて、震災と戦争の苦難を重ね合せた小説「百歳物語」(素人社)を書き下ろした。命がけの満州引き揚げ体験をもつ老女が、絶望の中にあってもつつましく優しく生き抜く大切さを、被災地に関わりながら孫娘に託そうとする物語で、最後の作品となった。








