滋賀県議会議員 今江 政彦
さる4月11日に閣議決定された「エネルギー基本計画」には3・11の教訓が全く生かされず、今なお避難生活を余儀なくされる十数万人の福島県の被災者の思いを踏みにじる結果となったことは誠に残念です。
従来から原子力推進政策を進めてきた経済産業省には福島第一原発事故について大きな責任があります。その経済産業省が主導する中で、今回の基本計画の中に原子力が重要なベースロード電源と位置付けられたことはまさにその社会的責任や道義的責任を考えれば許されることではありません。
かつて民主党政権下ではエネルギー・環境のデータを示したうえでの意見聴取会やパブリックコメントなどが幅広く実施され、国民が参加した中での議論を経て「革新的エネルギー・環境戦略」が閣議決定されました。
その中では原発に依存しない社会の一日も早い実現に向けて省エネルギーや再生可能エネルギーといったグリーンエネルギーを最大限に引き上げるとされていましたが、今回の基本計画では再生可能エネルギーの中長期の数値目標設定も実質的に見送られてしまいました。
私たち県議会の民主党・県民ネットワークでは平成23年11月に滋賀県内15か所において県民の皆さんと原発や防災についての意見交換会を行い、琵琶湖や飲料水の汚染に対する不安や重大事故への対応、原発に依存しない社会実現のための再生可能エネルギーの振興などについて多くのご意見を伺い、国への提言もしてきました。
こうした国民や県民の声にもかかわらず、今回、国において福島原発事故の教訓が全く生かされていない「エネルギー基本計画」が閣議決定されたことは国民全体の期待を裏切るものであり、滋賀県の安心安全にも大きくかかわるものとして危惧しています。
また、今回の基本計画の中では原子力発電所の再稼働を進める際には国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るように取り組むとありますが、重大事故が発生すれば立地自治体と同じような被害を受ける「被害地元」である滋賀県には再稼働について同意する権限は与えられていません。
もし、今後福井県の原発が再稼働されるのであれば滋賀県としては立地自治体並みの同意条件を求めていかねばならないと思います。
同時に新しいエネルギー政策を確立することにより、原発に依存しない社会を実現することは将来世代に対する私たちの責任であると考えます。
今年7月に予定されている知事選では原発問題について、まさに「被害地元」として県民の皆さんによる幅広い議論が行われることを期待するものです。






