緩和ケア連絡帳がスタート
◇全県
「がんになっても自宅で療養したい」、「自宅でも末期がんなどの痛みを和らげる緩和ケアを受けたい」という願いをかなえようと、県では今月から緩和ケアの地域連携クリニカルパス(連絡帳)の運用を始めている。
このクリニカルパスは、病気ごとに、治療や検査、看護ケアなどの内容およびタイムスケジュールを一覧表に表した連絡帳で、患者用と医療スタッフ用(写真)があり、ともに医療機関ごとに医師や看護師をはじめ各医療専門分野の医療スタッフが検討して作成している。
県では平成二十二年四月から、肺がん、大腸がん、胃がん、肝臓がん、乳がんの五大がんや前立腺がんに対し、がん診療連携協議会(注)を中心にして、病院(専門的治療と検査)とかかりつけ医(日常の診療や療養指導)が役割分担し協力しながら診療できるよう地域連携クリニカルパスを整備してきた。
さらに今年四月からは、がん治療中に経験する苦痛を伴う症状(吐き気、嘔吐、痛み、倦怠感など)や精神的な辛さなどを和らげる緩和ケアがパスに加わったもの。末期がんなどの緩和ケアパスの利点は、患者・家族が安心して在宅療養できることだ。
具体的には(1)病院から診療所へ苦痛の対応方法が的確に引き継がれる(2)医師、看護師、ケアマネージャーなどが患者の状況を共有するので、支援体制が安心できる(3)具合が悪くなったとき、かかりつけ医などと病院が連絡を取り合い、対応がスムーズとなる(4)患者・家族が、体調変化を予測し、対応の心構えができる―など。
なお緩和パスの実施機関は、がん診療連携拠点病院(滋賀医科大学医学部付属病院、大津赤十字病院、県立成人病センター、公立甲賀病院、彦根市民病院、長浜市民病院の六か所)、がん診療連携支援病院(大津市民病院、草津総合病院、済生会滋賀県病院、近江八幡市立総合医療センター、東近江総合医療センター、長浜赤十字病院の六か所)、日常の診療や療養指導を担当する登録医療機関(病院、診療所三百二十九か所)となっている。
(注)「県がん診療連携協議会」=県内のがん診療連携拠点病院や医療関係団体が、がん診療の連携協力体制を構築しようと設置した(石川政実)






