参議院議員 林 久美子
先月、横浜市磯子区の二歳と八ヶ月の男児が、自称ベビーシッターの男に預けられ、二歳の男児が死亡するという事件が発生しました。母親とベビーシッターを結んだのは、インターネット。顔も知らない、電話番号もわからない、そんな男に子どもを預けたことに、親としての責任論も指摘されていますが、一方で、それでも預けざるを得ない状況に置かれた逼迫した母親が存在していることを、しっかりと受け止めなくてはなりません。来年四月、幼稚園と保育所の一体化、家庭的保育事業や小規模保育所への国による財政支援をはじめとする就学前教育・保育の質の改善、量の拡大が柱となる「子ども・子育て新制度」がスタートします。この新制度を創り上げる際に、私は文部科学大臣政務官としてかなり深く関わっていましたが、待機児童の解消や質の改善、多様化するニーズへの対応など、かなり良いものが出来たと思っています。しかし、新制度が始まるのを前に、今回の悲しい事件が発生してしまいました。
今回の事件から見えてきた問題は、大きくわけて四つあると考えます。
まず一つ目。ベビーシッターには公的資格がありません。極端に言えば、誰でもベビーシッターを名乗ることができるのです。そのため、全国保育サービス協会が行っている「ベビーシッター資格認定制度」をより普及させるなど、ベビーシッター資格を創設するべきだと考えます。
二つ目の問題。一日に保育する乳幼児が五人以下等の施設については、行政への届け出義務は課されていません。しかし一人だろうと十人だろうと、大切な子どもの命を預かるわけですから、すべて広く届け出制とすべきです。
そして三つ目は、費用の問題です。大手のベビーシッター会社を経由すると、スタッフの経費やベビーシッターの研修費等が上乗せされるため、比較的費用が高くなります。一方でインターネットのマッチングサイトを使うと、直接の契約になるために費用は安くなります。どうしても所得の低い方は安価な契約に流れがちに…。当然、素晴らしいベビーシッターも登録しているのでしょうが、今回の事件に見られるように玉石混合です。ですから、仏国や米国で導入しているようにベビーシッターを使った費用を税額控除の対象にすべきだと考えます。また、税金を払うほどの所得のない方には、バウチャーを導入することを検討してみてもいいと思います。
そして四つ目の問題点として、インターネット対策です。インターネットを介した事業は、急速に拡大しています。そんな中、完全に事業者と利用者の合意のみで、何の基準もないままに契約が成立してしまっています。しかし前段で触れたように、玉石混合という現状は否めません。手続き等に一定の要件や基準をかける必要があります。
時代はめまぐるしいスピードで変化しています。子どもを取り巻く状況も同じです。この時代に生まれてきてくれた全ての子どもたちを守れるよう、様々な視点で提案し、より安全な子育て環境をつくるべく取り組んでまいります。






