今年度中に方向性示す
◇全県
県の全市町で構成する交通災害共済組合の運営が、加入率の低下などで困難な状況になっている。
同共済が始まったのは、昭和四十三年、自動車の普及に伴って急増した交通事故に備えるためで、誰でも安価な掛け金(五百円)で最大百万円の見舞金を受け取れるのが特徴だ。
県民全体に対する加入率は、昭和六十三年度の六二・五%でピークを迎え、平成二十五年一月末現在には二一・五%までに落ち込んだ。
このように加入率が減少する一方で、加入している高齢者の交通事故増加に伴って見舞金支給が増え、平成二十二年度から赤字を埋めるため基金の取り崩しが始まった。
加入率の減少の要因は、交通事故のみを対象とする同共済に対して、手ごろな掛け金で幅広い保障内容の保険が普及したからだ。
また、自治会に募集と徴収を依存した方法も、個人情報保護法ができて難しくなっている。市町によっては、申し込みを郵送方式に切り替えたり、金融機関からの振り込みで対応しているが、抜本的な対策になっていない。
このため、同共済組合は加入率を上げようと、平成二十一年から加入者に対する見舞金を一部の等級で一万円アップし、さらに通院治療に対してギプス代を加算した。それでも加入率は改善せず、見舞金の支出ばかり膨らみ、起死回生策は見当たらないのが現状だ。
今後の運営について同共済の事務局は、「各市町の意見を聞いた上、年度末までに一定の方向性を出したい」としている。
(高山周治)






