嘉田知事、出処進退明らかにせず「虚心坦懐に県民の意見を聞く」
◇全県
県議会の二月定例会が二十四日閉会した。可決された議案は、平成二十六年度当初予算案や県流域治水条例案、議員定数を四十四に削減する条例案など百十七件。閉会のあいさつで嘉田由紀子知事は、七月に予定されている知事選に向けて「熟慮中」として、出処進退を明らかにしなかった。
可決された県流域治水条例案は、二百年に一度の豪雨に備えて、避難体制を整えるほか、三メートル以上の浸水深が想定される地域の住宅・福祉施設の新築・増改築を制限し、宅地のかさ上げか、避難所の確保が義務付けられるもの。
同条例案は建築規制の在り方や住民への説明不足が問題視され、昨年九月と十一月の議会で二回継続審議となった。このため今議会では県側が罰則を「当面の間、適用しない」などと盛り込んだ修正案を再提出して、ようやく可決された。
この一方、自民党県議団からは、昨年の台風18号による大戸川下流域の被害を受けて、大戸川ダム計画(凍結中)の整備に向けた再検証を求める決議案が提出され、同党と公明の賛成多数で可決された。
同計画を巡っては、平成二十年に滋賀、京都、大阪、三重の四府県知事が「効果は認めるが、河川整備計画に位置付ける必要はない」と合意し、これを受けて国交省も「凍結」としている。
嘉田知事は閉会後の会見で、県流域治水条例案が可決されたことに「感無量。(警戒区域に対して)県、市でしっかり支援する」と表情を引き締めた。
また、大戸川ダム整備に向けて再検証を求める決議については、四府県知事合意を「そう簡単に変えられるものでない」と否定的な見解を示した。
今夏の知事選に向けた出処進退に関しては、あらためて「虚心坦懐に住民の意見を聞いて判断したい。一~二か月じっくり声を聞かせてもらう」と述べた。
自民党県議団代表の吉田清一県議は、嘉田知事が去就を明言しなかったことに「誰が相手になろうが、粛々と進める」と、闘志を燃やした。同党は、立候補予定者として経産省出身の小鑓隆史氏(47)を擁立している。
流域治水条例案については、河川整備の積極推進や罰則規定が当面適用されないなど、議会の意向に沿った形で修正され、「とがった部分がなくなった」と評価。大戸川ダム計画は「県議会で自民が過半数に満たない頃から、天ヶ瀬ダムの貯水量、瀬田川洗堰の放流量を総合的にみて必要としてきた」と主張した。
一方、民主党県民ネット代表の大井豊県議は、知事選に向けて「(嘉田知事は)熟慮中とおっしゃったが、相当考えて(迷って)おられるという印象を持った。嘉田知事の評価は、政策としては問題がないが、(日本未来の党の旗揚げなど)政治的スタンスは問題があると考えている。会派で話し合っているが、自民党が支える(候補による)県政にしたくない」と述べ、さらに出馬に意欲を見せる同党県連代表の三日月大造衆院議員にも触れて、同党の決断を「時間的にも四月が一つの判断のリミットになるのでは」と語った。
(石川政実、高山周治)








