県の被害想定調査 停電率約9割、断水率約8割
◇全県
県は十七日、琵琶湖西岸断層帯など県内五つの断層帯を震源とする地震と、南海トラフ巨大地震の被害想定を発表した。琵琶湖西岸断層帯を震源とする地震が南部を中心に県内で最も大きな被害をもたらす一方、東近江地域については鈴鹿西縁断層帯による地震が最も深刻とした。県は今回の結果を受けて、「減災対策、応急対応体制の充実に向けて、地域防災計画、防災プログラムなどを再検討する」としている。(高山周治)
平成二十四年度から二か年かけて調査しているもので、計十二ケースを分析し、建物と人的な被害、ライフラインなどの支障を推計した。対象は、(1)琵琶湖西岸断層帯(2)花折断層帯(3)木津川断層帯(4)鈴鹿西縁断層帯(5)柳ヶ瀬・関ヶ原断層帯(6)南海トラフ巨大地震―で、「起こりうる最大クラス」を想定した。
このうち東近江地域で最も被害が大きいのは、鈴鹿西縁断層帯地震(М7・6)だ。県全体で死者は最大六百四十人、建物全壊一万一千棟、地震火災による焼失は一千百棟に上る。
直後の停電率は湖東・東近江地域では約九割、断水率は約八割に達する。
東近江地域の建物の全壊棟数と死傷者は最大で、▽東近江市(震度7)千二百十六棟、千八十八人(死者七十一人)▽近江八幡市(6弱)十九棟、九十九人(同〇人)▽日野町(7)五百十二棟、四百二十一人(同三十一人)▽竜王町(6弱)十二棟、三十六人(同〇人)。
県が予測するシナリオでは、建物倒壊・死傷者の八割が、湖東・東近江地域に集中して同時発生。消防ポンプ車二十台、救急車四十台が不足する上、道路通行支障により現場急行が困難となる。このため発災直後の救出・救命活動は地域住民が主軸となる。主要医療機関も被災し、通常診療は困難となる。
一~三日後には、救急消防隊や自衛隊などの活動が本格化。しかし、病院へのライフラインは途切れたままで、入院患者(二地域ベッド数三千九百床)と重傷者(六百人)のうち相当数が、被災地外への移送が必要となる。
一週間後には水道、ガスなどのライフラインが復旧し始め、建物被害のない住宅の生活困窮は徐々に解消し、病院機能も回復する。
なお、県は、建物の耐震化、家具などの転倒防止などを徹底すれば、死者と全壊建物の被害は一~二割に抑えられると試算している。







