滋賀県議会議員 今江 政彦
多くの国民や有識者が反対を訴える中で、昨年12月6日の臨時国会最終日に「特定秘密保護法」が自民党などの与党により強行採決され、成立しました。
この法律の問題点は処罰行為も曖昧なまま関わった本人が知らない間に政府の判断で逮捕処罰される恐れがあることで、保護される秘密の指定や運用についても曖昧なままになっています。チェック機関として設けるとされている保全監視委員会や情報保全監視室なども実質は官僚がチェックするものであり、とても中立な第三者機関と言えるものではないでしょう。
国民主権のもとで政府の情報は基本的に国民のものであり、国民に正しい情報が提供されることによって国民も正しい判断することができるのです。まさに「国民の知る権利」やそれを支える「報道の自由」を守ることは民主主義の原点ですが、今回の特定秘密保護法による秘密の指定は政府によって恣意的に行われたり、拡大解釈される可能性もあり、大きな危険を抱えた法律といえます。しかも、国民生活に大きな影響を及ぼす可能性のある法律でありながら、通常国会で審議することなく、臨時国会での成立を急いだ点にも大きな問題があります。
かつて、戦前において治安維持法で言論統制をしながら悲惨な戦争に国民を巻き込んだ歴史を彷彿とさせるような暴挙といえるのではないでしょうか。
もちろん国益を守るために保護されるべき情報もありますが、できるだけ早い時期に国民に公開されなくてはいけません。この法律では秘密の指定期間が60年に延びて、また、永久に公開しなくてもよい秘密が認められているのは国民主権の観点から許されないことだと思います。
また、特定秘密保護法による処罰の対象は公務員だけでなく、広く一般国民までに及び「指定された秘密」を漏えいしたものは懲役10年以下と厳罰化されています。
この問題は決して外交・防衛という国の課題だけではなく、将来的に県民生活にも大きな影響を与えることに疑いはありません。
私たちは昨年の11月定例会の最終日において秘密の適正な管理の在り方について国民の十分な理解と納得が得られるように、第三者機関の独立性を担保することや新たな法案の提出などの対応を求める意見書を滋賀県議会から国に提出するよう求めましたが、自民党などの反対多数でその意見書(案)は否決されました。
確かに自民党は衆参で過半数の議席を占めていますが、国民の皆さんはすべてを白紙委任したわけではありません。十分な議論もなく拙速に「国民の知る権利」を奪おうとする暴挙は断じて許してはいけません。






