参議院議員 林 久美子
十月に召集された臨時国会も、会期を形式上二日間延長しただけで今月八日に閉会しました。政府は「成長戦略国会」と銘打っていましたが、ご存じの通り、実態は特定秘密保護法案に明け暮れた国会となりました。
テロの脅威などが高まり、世界が小さくなっている中で、情報はまさに国家の生命線であり、こうした類の法律は必要であると私も考えています。しかし今回の特定秘密保護法案では、特定秘密の範囲が不明確であることや、情報の保全が担保さないこと、第三者のチェックが機能せず国民の知る権利や表現の自由等が侵される危険性が高いこと――等、あまりにも問題点が多くありました。ですから私はこうした問題点が解消されないままの採決には断固反対、参議院本会議における採決の際には反対票を投じました。改めてこの国会を振り返ると、国民の知る権利と安全保障に関わるこれだけ重要な法案が、あまりにも乱暴に審議されたような気がしています。
特定秘密保護法案を審議するために設けられた特別委員会における審議は、とりわけ参議院において、実に乱暴なものでした。特別委員会で答弁に立った森まさこ大臣は法律が施行されるまでの担当大臣で、その後はどうやら所管大臣にならない見込み。責任を持てない大臣が答弁し、その答弁は二転三転するという状況。特別委員会を公平に運営すべき委員長は自民党議員で、委員会の運びについて議論する理事会では、野党の発言を許さないという横暴ぶり。挙げ句の果てには、自民党の理事が「民主党議員の質問には官房長官が答える必要はない」と述べ、議員の質問への検閲まで行う始末。しかも参議院における審議時間はわずか二十二時間で、衆議院の質疑時間の約半分。これで十分な審議をしたと言えるのでしょうか。そして最後は自民党議員が突然立ち上がり、審議を打ち切る動議を出し、怒号飛び交う中、強行採決されました。そして法案への懸念を表明する多くの国民が国会の周りを取り囲む中、あっけなく法案は可決・成立しました。
しかしこうした政府与党のやり方は、残念ながら違法ではありません。どんなに審議が乱暴でどんなに問題があったとしても、民主主義においては数がすべて。多数決でどんな法律も可決・成立させることができるのです。昨年の衆議院選挙、今年の参議院選挙で私たち民主党は多くの議席を失い、野党に転落しました。与党は数を大きく伸ばし、今回の国会のように横暴な運営を行っています。ですから、この状況を変え、もっと国民の声に耳を傾ける政治を実現するためには、やはり私たちが頑張るしかありません。巨大与党に対抗し得る政治勢力として再び立ち上がることが、この国の未来のためであると確信して、私は来年も頑張ります。本年も皆様に大変お世話になったことに心から感謝申し上げるとともに、来年も引き続きご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。どうか皆様、佳き新年をお迎え下さいませ。






