動き出した来夏の知事選
◇全県
来年夏の知事選に向け、湖国政界は動き始めている。政界筋では、同年の二月県議会で、嘉田由紀子知事(63)が三選出馬を表明するとの見方が大勢だ。橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)や嘉田知事は、地方から国を変ようと関西広域連合を舞台に一時代を築いてきたが、自民党政権の復活、橋下市長の人気凋落、嘉田知事による日本未来の党旗揚げとその後のドタバタ劇などで、“嘉田人気”にも陰りが出ており、次期知事選は波乱含みの展開が予想される。【石川政実】
平成十八年に初当選を果たした嘉田知事の一期目は、新幹線栗東新駅の中止、ダムの凍結・見直しで、一躍、マスコミの寵児(ちょうじ)になった。まさに、“破壊”に明け暮れた四年間だった。
二十二年からの二期目は、突破力のある橋下大阪市長(前大阪府知事)とタッグを組み、活動の舞台を関西広域連合に移して、国の出先機関改革、卒原発などに取り組んだ。逆に足元の県政が脆弱(ぜいじゃく)になり、県市長会との対立にも発展した。
昨年十一月末、小沢一郎生活の党代表と組んで未来の党を旗揚げし、同十二月の衆院選には党代表として“二足のわらじ”で選挙応援に走り回るが、惨敗。 その後、小沢氏と対立し、“二足のわらじ”をやめて知事に専念する。現在、名誉挽回のため躍起なのが、九月県会で継続になった流域治水条例案の成立である。
自民党の国会議員は“ポスト嘉田”を模索しているものの、肝心の同党県議の一部には再来年の県議選をにらんで、「白旗を揚げて嘉田知事にひれ伏した方が得」との打算が働き、いまだに展望が開けていない。
民主党も、県議会会派の同党・県民ネットが知事与党になっている関係で嘉田支持に回る可能性があるが、先の衆院選で未来の党の影響をモロに受けて落選した前衆院議員や連合滋賀には拒否反応が強い。
このため文部大臣、総務大臣などを歴任した川端達夫前衆院議員(68)を押す声が出そうだ。同氏なら他党が相乗りする公算もある。
また六月ごろにささやかれたのは、民主党参院議員の林久美子氏(41)が参院議員から知事選に転出し、替わって嘉田氏が参院選に出馬するバ―タ―取引説。しかし、林氏が自民党の世耕弘成・内閣官房副長官と結婚したことで、この説も軌道修正されそうだ。
インターネット上の猫都市「こにゃん市」の市長選といったユニークな取り組みを進める谷畑英吾湖南市長(47)は、知事候補の下馬評に上る常連である。
ダム凍結などで嘉田氏と国との関係が冷え込む中、民主党県連代表の三日月大造衆院議員が国土交通省副大臣のとき、同省を退職して守山市長選に出馬した宮本和宏市長(41)を推す動きが出ている。
一方、経済界では「嘉田知事になって湖国経済の閉そく感が強まるばかり」として、綾羽グループ会長、河本英典氏(65)の待望論も。
県議会関係は、自民党県連幹事長として幅が出てきた家森茂樹氏(62)や、みんなの党滋賀代表の蔦田恵子氏(51)らが下馬評に上っている。
文化人では、辛口評論家の八幡和郎氏(62)=徳島文理大学教授=や、若い世代から「勇さん」の愛称で親しまれているミュージシャンの川本勇氏(54)=成安造形大学客員教授=が見逃せない。







