参議院議員 林 久美子
今更申し上げるまでもありませんが、少子化は我が国日本にとって最大の課題と言っても過言ではありません。子どもが減れば、社会保障は崩壊するし、経済規模も小さくなり、経済発展は困難になります。そして人口減少が進み、国家の成長が望めなくなると、国民の生活は貧しくなっていくでしょう。ですから、こうした状況をいかにして解決するかは、どこの政党が政権与党であろうと、変わることのない重要な課題です。
先日まで、内閣府の少子化危機突破タスクフォース(作業部会)は、妊娠や出産に関する知識を広めるために、いわゆる「女性手帳」を作成し、若い女性に配布しようとしていました。簡単に言えば、晩婚・晩産化が進んでいるので、「早く子どもを産まないと大変!」という啓発を進めようというものです。しかし、世論の反発を受けて撤回。男女を問わず、健康管理情報を提供していくことになりそうです。
一方、安倍総理は「三歳まで抱っこし放題なんです!」と胸を張る…。育児休暇を三年間取得できるようにすれば、子どもが三歳になるまで抱っこし放題、という論理です。しかしよくよく聞いてみると、三年間の育児休暇は法律的に義務づけるわけではなく、企業に“積極的に導入して下さいね”と言うレベル。従来通り一年間は育児休業給付金からお給料の半額が支給されますが、その後二年間は無収入になるという…。つまり、二年間、妻の稼ぎ(ほとんどの家庭では妻が育児休暇を取得するため)がなくても安心して家庭を維持できるほどの高額な給与を得る夫がいる家庭でしか成り立たないということであり、三年間まるまる休んでもキャリアが中断されることなく職場に復帰できるだけのスキルや能力がある人に限定されているということでもあります。
「そんなことよりも、仕事と家庭が両立できる環境をつくってよ!」。女性の嘆きが聞こえてきます。育児休暇で一年間しっかりと育児に専念でき(男性も育児休暇の取得を!)、その後、保育所など質の良い就学前施設に入所でき、無事に職場復帰を果たす。子どもが小さいうちは時短勤務が可能で、子どもが熱を出したときには堂々と休める。そんな環境をつくることこそ、安心して子どもを持ちたいという思いに応える政策であるはず。世の女性たちを「早く子どもを産まないと大変!」と焦らせることではなく、安心できる環境を整える…。そんな政策こそが必要です。
女性は早く結婚して家庭に入り、育児と介護をしていればいい、それが日本のためになる…という考えが透けて見える、今の政権の子ども・家族政策に、私は、違和感を禁じ得ません。






