滋賀県議会議員 井阪 尚司
各地で「蛍だより」が聞かれる季節になりました。平安時代に活躍した清少納言は、「夏は夜。月のころはさらなり、やみもなほ、蛍の多く飛びちがいたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。」(枕草子)と趣の深いことを述べています。この光景は、1000年経った今も変わらないでしょう。
世界には約2000種類ものホタルがいると言われていますが、日本には約40種類が知られており、中でもゲンジボタルやヘイケボタルのように幼虫期を水中で生活するものは世界で5種類しかいません。
今月の3日、韓国全羅北道の茂朱(ムジュ)で開催された韓国ホタル研究大会に招かれ、竜王清流会の役員の方々と一緒に日本代表として研究発表をさせていただきました。ムジュにはゲンジボタルはいませんが、韓国はこの地のヘイケボタル等を天然記念物322号に指定し、年に一度、研究や保護の発表大会と数十万人が集まる「茂朱ホタル祭り」を韓国文化観光部として認定しています。祭りの規模の大きさと意気込みに圧倒されました。
県内では、「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」(2006年滋賀県)、「守山市ほたる条例」(2000年)、「山東町蛍保護条例」(1972年)を受けて「米原市蛍保護条例」(2007年)が制定されており、カワニナの捕獲禁止、土手での草焼きと農薬の禁止などを決めています。
ホタルは、身近な環境の状態を教えてくれるだけでなく、私たちの心を癒し、環境文化をイメージさせてくれる文化昆虫でもあります。あらためて自然のもたらす恵みに深く思いをめぐらし、美しく豊かなふるさとが維持されるよう環境保全に努め、次世代へ引き継いでいかなければなりません。短歌「二つ三つ数える子等の声透きて 暗き小川に蛍飛び交う」(インターネットより)の輪が広がることを願って、町のホタル条例ができるといいですね。






