県内生息8種のうち 6種が減少危惧種
今年の干支は巳(み)で「へび」。県内で生息するへびの仲間でよく知られるのは、(1)シマヘビ、(2)アオダイショウ、(3)ニホンマムシだが、このほかにも(4)ヤマカガシ、(5)シロマダラ、(6)タカチホヘビ、(7)ヒバカリ、(8)ジムグリが分布して計八種類もいる。
「ヘビが暮らしのそばにいた昔とちがって、今は姿を見なくなりましたが、本来はおとなしい生き物ですよ」と解説するのは、琵琶湖博物館学芸員の金尾滋史さん(32)。
神秘的な存在であるへびは古代より信仰の対象だった。
しかし、近年は開発によって生息地(水田、山地)が奪われ、捕食対象となる動物(カエル、メダカなど)が減少するなどして、アオダイショウとシマヘビ以外の六種は絶滅危惧種(レッドデータブック)一歩手前の要注目種に指定されているのが現状だ。
金尾さんは「食物連鎖の上位にいるヘビが生息するということは、えさとなるカエルやメダカといった生き物が豊富な証拠」と、多様な自然環境の保全を呼びかけている。
(1)シマヘビ
水田地帯に生息し全長60~140センチ。褐色の背面に4本の黒い縦縞模様。カラスヘビと呼ばれる全身真っ黒の個体もいる。脱皮したぬけ皮をサイフやタンスに入れると、「良いことがある」と信じられた。カエルやトカゲのほか、小鳥、ネズミを捕食することも。=写真=琵琶湖博物館提供
(2)アオダイショウ
国内最大のへびで、全長100~200センチ。全体に灰色がかかった青緑色。こどものへびは成体と異なり、はしご状の斑紋が並んでおり、マムシとよく間違えられる。木登りが上手で、昔は人家の天井などに棲みつき、ネズミを捕食するので大切にされた。=写真=琵琶湖博物館提供
(3)ニホンマムシ 減少種(毒へび)
全長25~50センチにしかならない。体が太短くて、灰褐色の背中に暗褐色の銭型模様。山林のほか、水田の畦や草むらで見られたが、有名な毒へびであるため見つかれば駆除されるうえに、生息条件の悪化で近年は急激に減少。カエル、イモリなどをえさにする。=写真=琵琶湖博物館提供
(4)ヤマカガシ 減少種(毒へび)
最近よく知られるようになったが、マムシと同じく毒へび。全長60~160センチ。緑色がかった褐色の地に黒い斑紋が並び、その間に赤い模様をもつことが多い。全身が真っ黒の個体もいる。水田の周辺のほか、山地にも生息する。主にカエルを食べる。=写真=琵琶湖博物館提供
(5)ジムグリ 減少種
全長60~120センチ。地中の穴に潜る習性が名称の由来。成体の背面は黄褐色で、黒褐色の斑点が散在する。頭部は小さく、二八状の斑紋がある。腹面は淡色で、黒褐色の斑紋がある。ネズミなどのほ乳類を食べる。性質はおとなしい。=写真=植田洵氏提供。写真は幼蛇(こども)
(6)シロマダラ 減少種
全長48センチ~63センチ。頭部は頸部よりやや太い。背面は灰褐色で、胴と尾に黒色の帯がある。石垣や瓦礫の間で生活する。マムシとよく間違えられる。県内での記録は極めて少ない。トカゲ、カナヘビをえさにする。性質はおとなしい。=写真=琵琶湖博物館提供
(7)タカチホヘビ 減少種
全長30~60センチで頭は小さい。背面は茶褐色で、正中線上に黒い条線をもつ。腹は黄褐色。繁殖期のオスは、下あごから腹部まで赤褐色の婚姻色を帯びる。土の中で暮らし、夜行性のため、正確な分布は分からない。性質はおとなしい。=写真=琵琶湖博物館提供
(8)ヒバカリ 減少種
全長30~60センチと小型で、背面は褐色で首には黄色の斜め模様があり、横腹にミシン目状の点線斑紋をもつ。水辺を好み、オタマジャクシ、メダカ、カエルを食べるおとなしいへび。捕まえても噛みつくことはほとんどない。=写真=琵琶湖博物館提供
文字琵琶湖博物館
「ヘビにまつわる干支セトラ」
琵琶湖博物館(草津市)は三日から、お正月トピック展示「ヘビにまつわる干支セトラ」を開いている。二十七日まで(月曜と二十一日~二十五日は休館)。
ヘビの生態のほか、ヘビに由来するスポットを紹介する。
入場無料。常設展示も観覧する場合は、大人七百五十円、高校生・大学生四百円。問い合わせは同博物館(TEL077―568―4811)へ。













