精神障害者家族会
◇全県
県が、県立精神医療センター(草津市笠山八丁目)内で平成二十五年度開設を目指す医療観察入院施設について、特定非営利活動法人滋賀県精神障害者家族会・鳰の会は一日、「精神障害者の尊厳性と人権を侵害するものである」として、建設反対する意見書を嘉田由紀子知事に提出した。
この施設は国の医療観察法に基づくもので、殺人・放火・婦女暴行などの重い犯罪を起こしたにもかかわらず、精神障害のために善悪の区別がつかないとして刑法上の罪を問えない者について、安全性を確保した施設で、専門的な治療を行ない、再発防止と円滑な社会復帰を促すもの。
県内には指定入院医療機関が未整備だったため、国の要請を受けて病棟を整備することになった。建設費約十三億円(全額国負担)を投じて、鉄筋コンクリート二階建て、延べ床面積二千六百平方メートル、ベッド数二十三床の入院施設を建設する。
「鳰の会」の声明では反対の理由として、近く批准が予定されている障害者権利条約に抵触する可能性がある医療と司法による管理的医療であり、精神障害当時者の人としての尊厳性、人権を侵害するもので、治療に成果が実証されていない障害者人権の発展の歴史に照らして、障害者の権利を抑圧し、時代の流れに逆行する―の三点を列挙した。
同会事務局の高岡清隆氏(80歳)は「無期限に拘束できるというのが問題。犯罪に対してはしっかり対処しないといけないが、人権に触れる拘束は反対する」としていた。
なお、嘉田知事は先月三十一日の定例会見で、年度内着工の意向を示している。近隣住民からの反対については、これまでの二十九回の説明会に加えて、センターに窓口を設けて相談に応じるとしている。






