近隣住民 事前説明なき市有地売却に困惑
◇湖南・栗東
今年三月、栗東市が財源不足を補うため、JR栗東駅前の市有地を約五億六千万円でマンション建設業者に売却したことについて、隣接するマンションの自治会が「市民全ての財産でもあり、五億円以上もする市有地を事前説明なく売却し、結果報告だけで済ませるのは一方的で納得できない」と困惑している。
売却された市有地は、中ノ井川の増水時の水を一時的に溜める調整池(同市綣三丁目)約二千九百平方メートルで、平成二十年三月の放水路完成に伴って不要となった。
このため市は昨年十月、新年度予算の財源不足を見越して、不要となった調整池の売却を決定。今年二月のインターネットオークション(二月十六日―二十三日入札、二十五日応札)で、大阪市のマンション建設業者が約五億六千万円で落札した。
市はもともと住民説明会を予定していなかったが、調整池に隣接するマンション「グレーシー栗東ビステージ」自治会(八十世帯、川島均自治会長)が強く要望したため、入札後の二月二十七日に開かれた。
この中で市が財政状況を説明したのに対し、住民は「市有地は市民全体の財産でもあるのに、入札後に報告するのは順序が逆だ」と反発。このため三月十六日に大津簡易裁判所に調停(「売買契約の破棄」)を申し立て、市に謝罪を含めた説明会を求め、六月十四日までに三回にわたって合意点を探った。
しかし市側は、すでに売却済みであることや、売却益を含む新年度予算が市議会の議決を得ていることを主張して平行線をたどり、自治会側は断念して調停を取り下げた。
今回の対応で市財政課の伊丹正治課長は「通常は入札前後に地域の代表者にお知らせするのにとどまるが、今回は住民説明会を実施し誠意を尽くした」と理解を求めている。
しかし川島自治会長は「五億円以上もする高額な土地なのに入札直前まで近隣住民に知らせず、一方的に進める市の手法に納得できない。市民の声に耳を傾けて、反省してほしかった」と釈然としない面持ちだった。






