六月十九日まで
◇湖南・甲賀
県立陶芸の森(甲賀市)は六月十九日まで、特別展「ウィリアム・ド・モーガン―楽しい生活を彩るタイルと陶器―」を開催している。
ウィリアム・ド・モーガン(1839~1917)は、イギリスの「アーツ・アンド・クラフツ」における重要な芸術家のひとり。十九世紀半ばの産業革命の後、世界一の工業生産力を確立したイギリスでは、経済的繁栄が最高潮に達した。機械による大量生産のもと、物質的な充実の一方で、精神的な豊かさが失われた非人間的な労働に人々の不満が高まっていった。そんな中、ウィリアム・モリスが機械文明を批判し、手工芸が生活と深く結びついていた中世の手工芸を理想とする美術工芸運動「アーツ・アンド・クラフツ」を唱えた。
モーガンは、モリスの同志として活躍。一八七二年に陶器やタイルを制作する小さな工房を開設したことをきっかけに一気に才能を発揮し、数多くの傑作を世に送り出した。大手製陶会社による大量生産のタイルが増える中も、手仕事を強調しながら独自の製法を確立し、陶器用の新しい釉薬や絵の具を開発した。特にルビー・ラスターをはじめとする「ラスター彩」の再現は、後の世界の陶器装飾に大きな影響を与えた。しかし彼は、これまでほとんど日本では紹介されることがなかった。
そこで同展ではイギリスのド・モーガン財団の協力を受け、ヴィクトリア朝時代の建築を鮮やかに彩ったタイルの数々や皿、壺など約百五十点を展示。
陶芸の森担当者は「十九世紀の人々の暮らしに楽しみと潤いを与えたやきものをお楽しみください」と話している。
観覧料は一般七百円(五百六十円)、高大生五百円(四百円)、中学生以下は無料。カッコ内は二十人の団体料金。問い合わせは、県立陶芸の森(TEL0748―83―0968)まで。






