ゆかりのある湖南市で20日から 寄託受けた著書、絵画など
◇湖南
我が国の障がい児教育の先駆者であり、近江学園や一麦寮の創立に関わった田村一二氏(明治四十二年~平成七年)の業績を紹介する展示が二十日から、同氏が生前暮らしていた湖南市で開催される。来月二十六日まで。会場の市立甲西図書館(湖南市中央)には、同市が田村一二記念館運営委員会から今秋、寄託を受けた著書や玄人はだしの絵画などが公開され、誠実でおおらかな田村氏の人柄をうかがえる。
田村氏の資料を巡っては、県内の有志による「田村一二記念館」運営委員会が平成十八年から、旧石部町内にある生前の自宅を拠点に、分散した資料の収集と展示を行っていた。
しかし、自宅での保管・展示が難しくなってきたことから、同委員会は今年九月、市へ資料を寄託した。内容は、本人の著書や関連する書籍約八十点、水墨画や油彩画など約四十点、スケッチブックや日記帳など約四十点の計百六十点に及ぶ。
今回の展示では、昭和四十年代の絵画を中心に、著書、紙芝居などの教育教材、一麦寮生が制作した粘土工作(昭和四十年代)を公開する。
ユニークな作風で知られる絵画は、大学時代に近代洋画の大家、須田国太郎氏について磨いた腕前で、美術界でも評価されている。制作では画材にはこだわらず、もらったハガキの余白や板きれ、障子やふすまに描き、昭和五十年代からきつねやカッパを好んで描くようになった。
このほか期間中は、同氏作で伊丹万作シナリオの映画「手をつなぐ子等」(稲垣浩監督)が、十二月五日、十二日の午後二時から上映される。
問い合わせは同図書館(0748|72|5550)まで。
田村一二氏 障がいをもつ子どもが社会からも、教育からも見放されていた戦前に、小学校で障がい児教育を始めた。戦中は大津石山学園、戦後復興期は近江学園(湖南市)、一麦寮(同)、茗荷村(東近江市)などの創設に関わり、真の人間教育を問い続けた。絵画への造形も深く、京都師範(京都教育大学)在学中より近代洋画の須田国太郎氏の指導を受けた。







