財政再建の道筋を聞く
◇湖南・栗東
栗東市財政は借金にあたる市債残高417億2300万円(平成二十一年度決算)の圧迫で、財政の立て直しが緊急課題となっている。これに加えて土地開発公社など第三セクターを含む債務負担196億8600万円(同)が重くのしかかり、これらの合計金額が市の普通会計の標準規模(138億5300万円)の何倍あるかを示す将来負担比率は309・3%で、早期健全化団体(350%超)に迫る危機的状況である。
そこで滋賀報知新聞社は栗東市長選挙の二十四日告示を控え、立候補予定者である中村洋三氏、野村昌弘氏、馬場美代子氏に対して財政再建についてアンケート調査を行った。
中村洋三氏
前栗東副市長、62歳サイクリング歴20年で、市の愛好会会長。
財政危機の原因
バブル崩壊以前から収入を安易な借金に頼って、他方で節約概念が不足したまま支出を続けてきたことが要因である。一方で市制施行を目指して、市民の皆様の多種多様な要望に出来る限り応え、必要な施設整備、福祉・教育施策の実施をしてきたことも要因である。このことで逆に栗東市は「住み良さランキング全国一位」の座を掴むことにもなったと言える。こうしたことと合わせ、新幹線新駅事業の中止による影響、さらに大幅な税収減による歳入不足などの要因も加わり、現在の姿があると言える。
財政再建の道筋
今日の経済不況による歳入不足はさらに市の財政を圧迫し、来年度においても約十億円の財源が不足する。現在、新集中改革プランが検討されている。こうした中で、「市民皆様の幸せを第一」の市政運営を考えたとき、財政健全化を一刻も早く成し遂げることが最優先である。それらは栗東市のみの努力では不可能に近いことから、国や県との支援を得られる環境を整え、創意と工夫による財源確保を行う。そのためには、滋賀県政・政権与党とのパイプは絶対に強固にしなければならない。
貸し倒れが懸念されるたばこ業者への貸付金
「貸したものは返してもらう」の原則に基づき、たばこ関係業者と話し合いをし、最終的に法的対応も視野に入れながら、回収に向けて全力を傾注していく。
野村昌弘氏
栗東市議、44歳 陸上競技が趣味で、高校時代は円盤投げで国体へ。
財政危機の原因
新幹線新駅中止の影響、平成十九年度施行の「財政健全化に関する法律」、たばこ税の推移・税の落ち込み、等々多くの要因があると思います。 そして、もうひとつ、今日までの行財政改革により扶助費の増加等も会計に占める割合が増えてきています。
財政再建の道筋
財政再建の道筋をつけることが、一番の急務であり、財政再構築の成果と今後の課題を明確に情報公開し、
▽後継プラン企業誘致の完遂による税収確保・その他の土地活用
▽トップセールスによる税収確保
▽税収未納への対応
▽公会計制度の趣旨を全庁的な取り組みとして進める。
貸し倒れが懸念されるたばこ業者への貸付金
まず、しっかりと話し合いを行い、約束を履行いただけるよう努める。
予算編成や、今後のたばこ税の動向を見定めながら、その時必要なことを必要な時に、適切な対応を進める。
馬場美代子氏
栗東市議、65歳 手芸は講師レベルの腕前をもつ。
財政危機の原因
大型開発を進める中で、JRびわこ線栗東駅誘致と駅開発による塩漬け土地約〇・七ヘクタール帳簿価格で十六億円や、新幹線新駅計画に伴う中央広場用地など約五ヘクタール帳簿価格で百十八億円を含め、公社の債務残高百八十億円にもなっていることが示すように時価より高く買った土地開発公社。
この乱脈経営が将来負担比率を押し上げている重要な原因の一つになっていると考えます。
財政再建の道筋
「財政危機」の原因を明らかにし、ふたたび繰り返さないことが大事です。国や県からの補助金の削減など自治体いじめとともに、大型開発による土地開発公社の債務保証百八十億円が大問題です。
いずれも市民に責任がないことばかりです。市民負担や緊急性のない公共投資を抑え、国や県へ財源確保を求めるとともに、高利子の借金を低利子に借りかえることや借金返済の年度間調整をはかり単年度負担を減らします。
貸し倒れが懸念されるたばこ業者への貸付金
市は、これまで貸付金条例と金銭消費貸借契約書に基づいて対応するとしていますが、貸し倒れになることが危惧されています。担保はわずか貸付金の一割と少なく、契約書の第四条による公正証書も結ばれていないことや、連帯保証人も親族で「何かがあったのと疑わせる」ような貸借契約になっています。もちろん、法的手段に訴えてでも債権回収をすすめます。同時に貸し手責任についても法的対応を検討します。





