嘉田知事、県議は真っ向否定 古川管理監の“役割”に新疑惑
東近江市のJAグリーン近江に県内のコンサル会社のコンピューターシステム導入を働きかけや県の経済特区事業「滋賀統合物流センター(SILC=シルク)」の認定などをめぐる汚職事件で、古川久巳容疑者(県総務部管理監)は二日、収賄の罪で起訴された。時には「侠気」を見せた男が、暴走に至った“県庁風土”を検証してみた。 【石川政実】
●全ては夕刊から始まった
本紙が一月二十八日付で報じたように昨年十二月十七日、国内有数の輸送会社の本社(東京都)で、SILC事業を推進する(株)SILC(本社・大阪市)の和泉玲子社長は古川管理監の疑惑を嘉田由紀子知事に訴え、新聞記事のコピーを見せたところ、突如、嘉田知事が怒り出したという。
●I前衆院議員を警戒
この記事は、朝日新聞が平成二十年二月二十九日付夕刊で、「古川管理監が県東京事務所副所長であった十七年から十八年度に出勤日の多くを出張にあてていたことがわかり、県市民オンブズマン(浅井秀明代表)が近く住民監査請求を行う」と報じたスクープだ。
この記事に対し古川管理監は「私はI前衆院議員がSILC事業に口を挟(はさ)んでくるのを阻止してきた。このためI前衆院議員がSILC事業から私を人事異動で飛ばそうと、新聞社にリークした」と周囲に釈明していた。
この記事を境に嘉田知事は、I前衆院議員や同新聞記者らに異様ともいえる警戒感を示すようになった。その一つが同年四月一日付けの県人事異動だった。I前衆院議員と関係が深い幹部は、総務部長や政策監など要(かなめ)のポストからことごとく遠ざける人事を断行したことだ。それが現在のように嘉田知事の出身大学の京大卒で側近を固める人事へとつながっていく。
I前衆院議員に情報が漏れないように、企業誘致活動は古川管理監の意を受け徹底した秘密主義がとられた。情報伝達は、古川管理監→澤田史朗前副知事→嘉田知事というトライアングルが形成された。ところで嘉田知事は、古川管理監にいつから全幅の信頼を寄せることになっただろうか。
●県庁で舞う情報
その鍵を握る情報が県庁を飛び交っている。「某県議が昨年三月三日、嘉田知事の再出馬のための選挙資金四千万円を出してほしいと和泉社長らに要請し、丁重に断わられた」というのだ。はたして古川管理監は、どのような役割を果たしたのだろうか――。
同県議は本紙取材に対し「SILC事業は、米原市であり、私の選挙区とは離れており、事業を詳しく知らない。それだけに四千万円の選挙資金を集める話を和泉社長にするはずがない」としらじらしく否定した。
“本当は同県議に選挙資金を集めるように指示したのではないか”との本紙質問に、嘉田知事は「承知していない」と否定した。
また和泉社長は「このことに、いまお答えする立場にはありません」と答えている。






