迫る用地取得費27億円の支払い期限 23日、SILCと県が善後策協議
◇全県
JR米原駅周辺の十一ヘクタールで官民連携により計画されている滋賀県の経済特区事業「滋賀統合物流センター(SILC)」(注参照)は、同事業を主導的に推し進めてきた県幹部が収賄の疑いで逮捕されたことで、県の責任が厳しく問われている。【石川政実】
東近江市のJAグリーン近江に県内のコンサル会社へのコンピューターシステム導入の働きかけや県の経済特区の認定などをめぐる汚職事件で、収賄の疑いで県商工観光労働部管理監の古川久巳容疑者(56)が逮捕された。逮捕容疑は、古川容疑者がコンサル会社から八百五十万円を受け取ったとされるもの。
平成十五年、当時の村西俊雄・米原町長(現・愛荘町長)がJR貨物に「米原貨物ターミナル駅」の設置要望に行った際、県東京事務所に立ち寄り、古川容疑者から「物流センターを設置したらどうです」とコンサル会社社長を紹介されたのが“SILC構想”の始まりだった。
予定地の同市磯・梅ヶ原は、市街化調整区域で建築物が建てられない地区。これを市街化地域にするため、市は県の経済振興特区に申請し、十七年に認定された。予定地を市街化地域にするため、事業主体を明確にする必要に迫られて十八年、SILC(株)(本社・野洲市)が設立される。資本金一千万円はコンサル会社 社長が出したが、社長に予定していた関西電力役員が急きょ辞退したため、古川容疑者は政財界に顔の広い日本たばこ販売(株)の和泉豊会長、玲子社長に白羽の矢を立てた。
古川容疑者は「テナントの誘致、用地取得費用、物流センター建設費用の資金調達は、コンサル会社を中心にこちらの方でやります」と要請。和泉玲子氏が「県のお役に立てば」と、社長を引き受ける。
県の説明では、SILC(株)の実質的な代表者であったコンサル会社社長が十九年、SILC(株)から撤退し、資本金一千万円も引きあげた。代って和泉社長が資本金を出資し、社名も(株)が前に付いた(株)SILCとして大阪市に設立した。今回の古川容疑者の収賄事件は、現在のところ、SILC(株)(旧)時代までと見られる。
新生の(株)SILCはこの三月二十四日、建設予定地の取得費二十七億円を市に支払わねばならない。ただ同社は民間企業でありながら、実際の推進役は県という、責任が曖昧(あいまい)な部分を残している。
県担当者は「SILC事業は、あくまで県に責任があり、今後も支援をしていく」と話している。なお県と(株)SILCはこの二十三日、今後の善後策を話し合う予定だ。
(注)滋賀統合物流センター(SILC)事業=製造・加工、物流の拠点をつくる次世代型プロジェクト。米原市によれば、用地取得費は二十七億円、建物建設費は約百三十億円。同事業を運営するのが(株)SILC。






