「市町負担金」見直しで市町の首長が疑心暗鬼
◇全県
都道府県の公共事業費を市町村が一部負担する「市町村負担金」について、滋賀県も見直す方針で、年内に市町と協議の場を設けることになった。しかし、各市町の首長は「嘉田知事の本音は、深刻な財源不足の中で、市町負担金の廃止に否定的で、むしろ市町から存続の声を上げてほしいのでは」と疑心暗鬼だ。 【石川政実】
嘉田知事は全国知事会などを通じて、国道整備や河川改修など国が行う公共事業費の一部を都道府県などが負担する「国の直轄事業負担制度」の見直しや廃止を求めてきた。
これを受け、原口一博総務相は先月十六日、国の直轄負担金制度の廃止を表明。前原誠司国土交通相も今月九日、直轄負担金の段階的廃止を明言した。
ただ滋賀県が国の直轄事業負担金の廃止を訴えるなら、同様に県が行う建設事業について市町に求めている「市町負担金」も見直さないとつじつまがあわなくなる。大阪、和歌山、新潟、岡山、福岡、熊本の六府県の知事はすでに市町負担金の廃止検討を表明しているからだ。
このため滋賀県は十四日、県内二十六市町の首長らと県事業の市町負担金や来年度予算編成での市町への補助金削減などで意見交換した。
ちなみに県事業の市町負担金は<1>地方財政法に基づく補助林道事業、単独道路改築事業、緊急地方道路(街路)整備事業などに七億六千三百万円(表参照)<2>土地改良法による県営かんがい排水事業などに五億三千五百万円<3>下水道法による流域下水道事業九十七億五千二百万円―の計百十億五千万円(今年度九月補正後ベース)。この中で、県が見直しや廃止を考えているのは、<1>の地方財政法に基づく市町負担金である。
湖南地域のある市長は「嘉田知事は、国に直轄負担金の廃止を訴えてきただけに、当然、県の公共事業を市町が一部負担する市町村負担金も原則廃止すべきだ。しかし、嘉田知事の本音は、厳しい財政事情の中で、市町負担金の廃止は避けたいのでは。むしろ、その継続を市町の首長から言わせて、改革派知事のメンツを守りたいと思う。なぜなら、市町との協議の場を設けなくとも、嘉田知事が『市町村負担金を廃止する』と言えばそれで済むわけでしょ。もし、各市町が市町負担金を廃止しないことに合意すれば、県が来年度予算編成の見直しで、市町への補助金を十億円削減する案は取り下げるべき」と冷ややかだ。






