昨秋からの不況で入居支援急増 5月から部屋不足が顕著
◇大津・大津市
住まいをなくして路頭に迷った人への入居支援を行うNPO近江よまわりの会(林弘夫代表)は、紹介する賃貸物件を募っている。同会は大津市を中心に約四十室を確保しているが、現在は全て埋まった状態。代表の林さん(58)は「景気回復まで時間がかかるといわれる中、入居支援する物件はまだ必要なので協力してほしい」と呼びかけている。 【高山周治】
独自にホームレス支援をしていた林さんが、同会を設立したのは平成十五年八月。会員二人でスタートした活動は二十八人に増え、大津市と連携しながら、これまで百人以上を支援してきた。
活動の出発点は、湖岸の公園だ。九年前、散歩しながらゴミ拾いをしていて、橋の下にふと目をやると、年老いた野宿者を見つけた。その人は若い頃、日雇い労働で全国を回って高度成長期を支えてきたが、高齢のため働けなくなった。
一方、近くを通る人々は、横たわっている野宿者が視界に入らぬのか、みな知らぬ顔で通り過ぎてゆく。林さんはそんな寒々しい風景を目にして、心を痛めた。
生活保護(生保)を受けるには、原則として住まいがあることが条件だが、ホームレスでは「保証人」がおらず、住まいを借りることができない。
同会はこのため、趣旨に賛同してくれるアパート経営者に会員(準会員)になってもらい、林さんへの信頼を担保に「保証人なし」で部屋を貸してもらい、生保を申請できるようにしている。もちろん生保が受給できるので、保証人と家賃は国が負担してくれる
これまで支援してきたのは、ホームレスが多かったが、昨年秋の急激な不況から状況が一変し、派遣切りの人が急増し、五月から部屋が不足するようになった。最近も、車上生活で衰弱していた中年男性を、大津市から紹介された。
幸い男性は一命をとりとめたが、派遣切りにあった人は、野宿生活に慣れていないので、飲まず食わずで重症になる人も少なくない。
多くの元派遣労働者は、働く気力はある。だから支援の手を差し伸べれば、自ら働き口を見つけて自立していく。今では同会のメンバーの一員として、支援する側に回っている人もいる。
募集している賃貸物件の対象は、県内のアパートまたは自宅の間貸し(離れなど)。連絡は同会代表の林さん(090-8193-3377、077-521-1146)へ。






