全32集落で懇談会 竹山町長の思い聞く
◇東近江・竜王町
竜王町は、昨年十月末から三カ月かけて、全三十二集落対象の「地域創造まちづくり懇談会」を開催した。近江八幡市と安土町との合併問題が取りざたされる中、参加者約千人と直接対話し、住民意見を吸収した竹山秀雄町長に、改めて合併に対する考えやこれからのまちづくりについて聞いた。
―懇談会を総括し、合併に対する考えは?
中核都市を目指す広域合併が合併本来の姿であり、一市二町の枠組みは見送り、当面の間、たくましい自律のまちづくりに向け懸命に進んでいく方針を話させていただいた。合併に関する経緯を含め、竜王町の状態について、みなさんに概ね理解していただいていたというのが第一印象。小規模自治体に変わりはないが、逆に「一緒にやっていこう」とのエールをいただいたことが心に残っている。道州制のような大きなうねりも予想されるが、(合併の)必要性を感じた時には、もう一度、謙虚に住民みなさんと話し合い、見極めていきたい。
―まちづくりで重要なことは?
強調し続けてきたのは、地域力や行政力など、自分たちの力を上げていくこと。互いの役割と責任を認識し、重なり合う思いがつながりから絆へと変わっていくとき、一体感や連帯感が生まれる。
職員に対しては講習・研修会への積極的な参加を促し、県との人事交流を継続するとともに、私を先頭に地方自治にかかわる情報・知識をどん欲に入手し、能力を向上させるチャレンジを課していく。また、町民約一万三千五百人の潜在能力を引き出し、女性や青年団、定年を迎え仕事をリタイアしたシニア世代の力を、まちづくりに貸してもらえるような仕掛けづくりが必要だ。
―まちのキーワードは?
「土産土法(どさんどほう)」。簡単に言えば、自分で考え、自分で作り出していくことだ。今や田舎の田んぼや畑を、都市部の消費者が農産物などを通して見直してきている。食料確保の道を持っていることが最大の強みになる時代、遅きに至らず農業の大切さを認識し、アグリパーク竜王や道の駅竜王かがみの里、果樹農園など交流施設を生かして誘客を図り、商業へとつながる新たな流れを生み出すことも土産土法の一つ。人に頼るのではなく、自分たちで考え、チャレンジしていかなくてはいけない。
―対話から見えた課題は?
今までの反省が第一だと思う。若者も定住してくれているようで、流れているのは否定できない。竜王町が恵まれてきたのも事実であり、若者が竜王の将来に夢を抱けるよう、雇用・子育て・教育・住環境などを総点検し、町民みんなが共有できるまちの指針・方向性を明確にすることが、私の課題でもある。
―今後の展望は?
自治体が大変な時期に差し掛かっているという認識のもと、納税やごみ減量といったことをポイントとし、町民みなさんに責任を自覚してもらえるような方策を打ち出していきたい。並行して、税収増に向けた企業誘致や事業の優先度見直しなどにも取り組む。
竜王町は、今まで恵まれた環境を自覚できていなかったのかもしれない。試練を体験することは発展するためのステップ。今後の竜王町の歩みの中で、いい意味で大きな節目になると思う。






