東近江市立小学校でのいじめ重大事態
【東近江】 2021年度~22年、東近江市立小学校で児童が複数の同級生などからいじめを受けていた問題で、東近江市は11日、第三者委員会が教育長へ提出した調査報告書を公表した。報告書では、市教委と学校の認識不足が浮き彫りとなった。
第三者委員会は、弁護士と教育専門家、医師、臨床心理士の4人で構成し、2022年12月~24年5月の間、28回にわたって開催した。
市教委と学校の認識不足浮き彫り
連携体制の強化などを提言
報告書によると、いじめと疑われる事案が2021年度に3件、22年度には7件があり、このうち第三者委員会がいじめと認知したのは8件だった。
とくに同年7月1日、担任が在室している中で発生した大縄跳びのいじめ事案については、学校と市教委の対応が当該児童の保護の納得できるものでなく、結果的に「安心して学校生活を送れるか疑心暗鬼となり、当該児童を登校させないと断言し、区域外就学を市教委に申し入れ、最終的に区域外就学を認められることになった」とした。
いじめの背景・原因については、学校は、学級に複数の教員で対応する必要性を認識しつつも、十分な体制を組めなかった。さらに学級において児童間のトラブルが生じた際の対応は、子ども同士で解決する力をつけることが優先された。このことから、「いじめの生じやすい状況だった」とみた。
学校の対応については、「管理職と担任のいじめに対する認識が共有されていなかったために、全校一丸となった対応が出来なかった」、「いじめの認識と対応は不十分であったと言わざるを得ない」と批判した。
市教委の対応は、いじめ事案はたびたび市教委へ報告され、保護者からも訴えがあったにも関わらず、7月1日に学級内で発生した大縄跳びのいじめ事案について、「当初重大事態に準ずるという認識で、9月末に初めて重大事態と認識した」と認識不足を指摘した。
さらにいじめ被害の保護者から寄せられた区域外就学の相談や、重大事態として調査にあたることが保護者に伝えられたのが約2週間後であったことから、「児童及び当該保護者に寄り添ったものとは言い難い」と、強く問題視した。
提言では、学校に対して市教委への報告により迅速な連携、児童へのケアと支援など6項目、市教委へは対応マニュアルの整備するなど組織的な対応の推進、学校と連携しながらリーダーシップを発揮するよう6項目を列挙した。
なお、被害児童は、転出後も頭痛や腹痛を訴えたり、朝起きにくいなどの症状があり、2023年1月、医療機関で心的外傷後ストレス障害の診断を受けている。
市教委は報告書を受け、「児童生徒及び保護者に寄り添った対応に心がけるとともに、初期対応と連携体制の強化を図ってまいります」としている。





