住民が賛成、反対の意見公述 県が土地収用法に基づき開催
【近江八幡】近江八幡市が同市安土町下豊浦地先で計画している「安土コミュニティエリア整備事業」の土地収用法に基づく公聴会が7日、安土コミュニティセンターで開かれ、約50人が参加した。
市が事業計画に対し行う土地の収用が公益性を有するものかどうかを認定する県が、市が提出した事業認定の申請書を公告・縦覧し、利害関係者から請求を受けて公聴会を開催した。事前に意見を提出した公述人(住民)8人が登壇して事業に対し、反対、賛成の意見を述べた。
一人20分の制限時間で市(起業者)が事業に対する公共性と必要性を、続いて公述人が順番に意見を述べた。
市からは、周囲の田園地から約1・6メートル盛土した計画地(敷地面積約4万9400平方メートル)に安土コミュニティセンター、安土小学校、市消防団安土分団詰所、子どもの家(放課後児童クラブ)の4施設を一体整備し、市内の他校と比べて劣悪な教育環境の改善などを目的に同小学校の新築移転、老朽化に伴う安土コミュニティセンターの新築移転、市消防団安土分団の活動拠点の設置、児童クラブの拡充や地域の防災拠点としての役割など、事業の目的と効果を述べた。
続いて、公述人が登壇し、賛成2人、反対6人が意見を述べた。
賛成意見では、「改築された市内他校との教育環境の悪さを改善するのには移転新築が望まれ、児童も保護者も通学を楽しみにしている」、「学校、コミュニティセンターなど、地域の重要な施設が一体整備されることを強く願う」、一方、反対意見では「小学校の移転について地域での民意集約の進め方に問題があり、まちづくりの議論もなかった」、「安土城があった時代の田園風景が残っているところに計画が進められるのは、風景景観上の問題がある。歴史的な検討が重ねられたのか疑問である」、「保健師として阪神淡路大震災の医療救護所で活動した経験から、エリアの出入り口が1か所しかない計画は、避難所となった場合に問題が起きる」、「計画地は軟弱地盤であり、防災拠点に適地ではない。敷地が広大で事業費が高額であり、学区住民の民意が反映されていない」、「安土小学校は、明治時代の水害の経験から安全な高台に建設された経緯がある。また、土地は子どもたちのためならと住民から提供された安全な場所であり、移転には賛成できない」、「時間をかけても(賛否両論が渦巻く)今の状態なら、出直してやり直すことが必要。いまごろ公聴会を開いて何になる」などの意見が述べられた。
県では、これまで事業に対して寄せられている意見も含めてまとめ、今後、開催する事業認定審議会に提出することにしている。






