桝田医師が撮り続けた約20年間
【東近江】 「あ、これ、私やぁ」、「○○さんや、懐かしいなぁ」――。来場者から思わず笑みがこぼれる。永源寺地域市原野町の敬老会出席者を、20年以上にわたって撮影した作品を紹介する写真展「市原野の敬老会 桝田昌之助のまなざし」が、永源寺図書館(東近江市山上町)で開かれている。16日まで。(高山周治)
撮影したのは、市原野町に診療所を構える桝田昌之助医師(76)。写真歴は、すでに高校、大学の卒業アルバムの制作に関わったほど長い。
会場には、出席者を撮影したポートレートを年代ごとにパネルに貼り付けて展示。その枚数は、1995年からコロナ禍前までの20数年分、1000枚以上。
作品には、手を振ってはにかむようなしぐさや、遠くをじっと見つめるような静かな表情、弾けるような笑顔など、十人十色だ。展示では、人物の視線が来場者に集まるように工夫した。
作品展のチラシには、桝田医師のコメントとして、「皆んなの顔を 正面から御覧下さい。この集落で働き、生活してこられた 顔・顔です。この近さでみる この眼が あなたです、と想いながら 撮りつづけてきました」とある。
撮影のきっかけは、「自分が住んでいるムラ。勝手に行くぞって」。長年心がけるのは、85ミリレンズで人物が自然に浮かびあがるような撮影。距離は、人と人が自然に会話できる80~90センチ。ストロボ撮影は論外。全ての出席者を余さず撮影。そして作品はプリントして、出席者にプレゼントしてきた。
今回の展示を企画したのは、図書館を拠点に活動するサークル、「楽楽ひろば」のみなさん。メンバーの今若央子(ようこ)さん(74)は、「高齢者の方に再会できた喜びや元気を出してもらおうと企画した」と話す。
市原野町の敬老会は新型コロナ流行を受けて、2020年から取りやめになっていたが、今年は再開の見通しという。
「これまで撮影を続けてきたが、今年はどうするか、そこが問題。若い頃と比べて体力は落ちたしね。しかし、乗り掛かった船やしな」。桝田医師は、眼鏡の奥で温かく尊厳をもつまなざしをたたえて、膝をさすっていた。
問い合わせは同図書館(0748―27―8050)へ。






