若年層増に伴い疫学調査困難に 保健所長 基本予防の徹底呼びかけ
【全県】 県内の新型コロナ感染者が急増しており、1日当たりの新規感染者は14日で179人と過去最多となり、医療を逼迫(ひっぱく)する状態が進んでいる。感染対策の最前線である県保健所はどうなっているのか、取材した。(高山周治)
「(新規感染急増の)11日から電話は鳴りっぱなし。夜は午前0時を回る」。電話対応の職員の声が交差する中、県東近江保健所の寺尾敦史所長は疲労気味の表情で話した。
本紙が取材した13日、同保健所が管轄する東近江2市2町の医療圏域では、学童保育所(東近江市)のクラスター(感染者集団)の歯止めがかからず、PCR検査を119人に行ったところ、計35人(職員等7人、子ども28人)の感染が確認されるなど対応に追われた。
この日、三日月知事は感染のピークが見えない状況を受けて緊急会見を開き、「医療が必要な人に提供できるかどうかの極みにきている」と、危機感を露わにした。病床利用率は86%(12日現在)と9割近くに迫っていた。
県保健所の感染対策の業務は、(1)入院が必要かどうかの判断、(2)感染経路を追跡する積極的疫学調査、(3)濃厚接触者の検査・受診を行う医療機関の調整―など多岐にわたる。
第5波の傾向は顕著と、寺尾所長は指摘する。「現場感覚でみて、これまで感染しなかった人も感染している。例えば家庭内の感染の場合、以前は夫婦で止まっていたのに、子ども、祖父母へと家族全員が感染するケースが増えている」。
年代別では、高齢者は少なくなり、増加するのは行動範囲が広い20代、働き盛りの30―40代など。接触者を可能な限り特定し検査の網をかける必要があるが、若年層ほど応じてもらえないという。このため「経路不明」が増え、市中感染拡大につながっているようだ。
さらに入院調整のため自宅待機の人や、若年層で無症状の場合の自宅療養が増え、13日現在で県内284人。自宅療養者の健康観察は、訪問看護ステーションに委託しているが、増加に伴って受けきれない療養者については保健所が対応する。
医師でもある寺尾所長は、県民への注意点として、「デルタ株は感染力が強いものの、感染予防のマスク着用、手洗い、うがいの徹底は基本だ。主な感染は飛沫なので、普段一緒にいない人との食事は避けてほしい。自分はひょっとして感染している可能性があることを頭のどこかに置くべき」と訴える。







