新型コロナウイルスワクチン接種事業の課題
【県】 県内の新型コロナウイルス感染症ワクチン接種事業は、各市町で高齢者への接種が進み、一部自治体では64歳以下への集団接種が始まっている。また、職域接種や県民とふれる機会の多い職種への接種が始まるなど、次の段階に入った。一方、各首長からは新たな課題が指摘されており、ワクチン接種後の対策も含め、県にはより明確なメッセージの発信が求められている。(羽原仁志)
ワクチン供給減で現場混乱
市町が円滑に接種を進めることが必要
県によると、今月8日までの県内高齢者のワクチン接種状況は、1回目を終えた人数が29万1845人(県内全高齢者の79・8%)、2回目を終えた人数が16万5469人(同45・2%)となっている。
国が「11月までに希望者への接種を終えることを実現したい」と表明し、県も「目標として共有したい」としている中、今月13日、多賀町中央公民館「多賀結の森ささゆりホール」(多賀町久徳)で「第20回滋賀県首長会議」が開かれ、各市町の首長らがワクチン接種の現状と課題を県にぶつけた。
もっとも多く挙がったのは、「(国からの)ワクチン供給が絞られ、スケジュールを変更せざるを得なくなった」(小西理・近江八幡市長)など、国からのワクチン供給量減少が現場の混乱を招いたという意見だった。
また、「市町別の人口比率では、ワクチンの確保量が30%~70%代までとまちまちになっている。不公平感の無いよう、コントロールしてほしい」(佐藤健司・大津市長)と求める声もあった。
さらに、「(県の広域ワクチン接種センターに関して)市町と県で二重予約になった場合、市町で個別チェックをすることを想定しているが、物理的に無理だ」(福井正明・高島市長)、「高齢者と違って40歳~59歳の予約が入らない。国が11月までと言っているなら実現できるように啓発、要望してほしい」(宮本和宏・守山市長)、「国が『地方自治体が余分に確保しているのではないか』と表現されたのは、たまったもんじゃない」(小椋正清・東近江市長)といった声も挙がった。
三日月大造知事は市町からの要望を受け、16日、県市長会会長の小椋市長と県町村会会長の伊藤定勉・豊郷町長とともに、河野太郎・内閣府特命担当大臣にワクチン配分についての緊急要望を行った。要望後、三日月知事は「市町の接種がしっかり行えるよう、必要な量の確保を求めていくことが基本」とし、「その他、市町での接種の補完をする意味での広域接種センターや広報・啓発活動で県の役割をしっかりやっていく」と述べた。
さらに、これからワクチン接種が進むと同時に、夏休みやお盆の帰省などとが重なることに対し、「ワクチン接種をしても対策の必要があることを引き続き強く呼びかけていく」としている。







