求められる施設のあり方
【全県】 県内各地で稼働している環境センターや清掃センターなど、いわゆるごみ処理施設で近年、建物の老朽化や土地利用の期限などを理由にした建て替え計画が相次いで進められている。新設には環境問題や新たに注目されるようになった人権に関わる課題などを指摘する声もあがり始めており、各市町には現代の暮らしに則した施設の適正なあり方の検討が求められている。(羽原仁志)
住民の主張はどこまで行政に反映されるか
廃プラスチックごみ焼却発電は本当に必要か
6月13日、明日都浜大津(大津市浜大津4)で、市民らが「新しい焼却炉の稼働による大津市のごみ問題を考える」と題した学習会を開いた。
大津市では、今年4月から同市膳所上別保町の環境美化センターで新しい焼却施設の試運転をスタートさせた。また、来年4月に同市伊香立北在地町の北部クリーンセンターでも新焼却施設が稼働する。
同学習会の主催者らは「市は『高効率な新しい発電施設を兼ね備えたごみ焼却炉の予定』としているが、併せて『プラ製容器回収をどのようにするのがいいか』とアンケートをとった。リサイクルのために分別しているプラ容器包装を焼却するのかと疑問がわいた」と開催のきっかけを述べる。
学習会では滋賀環境問題研究所の畑明郎所長が「大津市のごみ問題を考える」と題した基調講演を行った。
畑所長は講演の中で、市の環境美化センターで今年6月3日、煤塵(ばいじん)から基準値の17倍以上の鉛が検出された問題に触れ、「家の近くに迷惑施設は要らない」と主張する「NIMBY(ニンビー)」という言葉を紹介し「有害物質発生源となる施設は迷惑施設だ」と述べた。さらに、「廃プラスチックごみを焼却する発電は効率的だが、CO2を多く排出する。ごみの分別や削減などを推進する国の方針とも矛盾しており、非常に問題ではないか」と指摘した。
学習会の質疑応答では、長浜市や日野町からの聴講者がそれぞれの市町でも発電を兼ねた新施設が計画されていることに関して懸念を語った。現在、県内全域で大津市と同様の課題が顕在化している。
高島市では、2度にわたり市議会が否決した新ごみ処理施設の整備について、現在、ごみ処理施設検討委員会が公募内容などについて議論し、市の担当者が各地区で説明会を行っている。
彦根市では、市南部の荒神山のふもとへ周辺1市4町ごみを処理する施設の移設が進められているが、文化的・自然的に価値のある場所への移設反対の声が強まっている。
栗東市では、今年度当初予算で環境センター施設整備事業として890万円を計上し、建設候補地の公募と建設候補地の選定基準の作成や応募地の評価を行うとしており、同市市議会では、市に対し意思形成過程を明瞭にすることを求めている。
ごみ処理施設の問題はこれからますます波紋を広げる様相だ。







