多額の累積赤字に苦しむ滋賀食肉センター
【全県】 滋賀食肉センター(近江八幡市)は、多額の累積赤字を抱えて施設の老朽化が進む中で、追い打ちをかけるように2018年には京都食肉市場(株)(京都市)の新市場が開設されるなど、�T内憂外患�Uが続いている。県農政水産部の宇野良彦理事は「食肉センターの在り方についての検討に着手したい」と話している。(石川政実)
県が食肉センターの在り方検討へ
食肉センターは、安全な食肉を安定的に供給しようと、県の出資が大半を占める(公財)滋賀食肉公社が近江八幡市の県有地に総事業費約40億円をかけて整備し、07年4月から操業を開始した。
同センターの施設の維持管理を担うのは同公社、同センターでと畜解体業務をするのは(株)滋賀食肉市場、内臓処理を行うのは滋賀県副生物協同組合となっている。
公社の主な収入は、同市場、同協同組合、利用者からの施設使用料である。食肉センターは、県内唯一のと畜場で、食肉地方卸売市場でもあるが、開設から8年間は赤字経営が続いた。
19年度決算では、公社が▲約9億2200万円、市場が▲約3億2400万円の累積赤字だった。
このため、県では7年度から20年度までの累計で、公社に約39億円、市場に約1億7000万円の補助金を支出している。
県が策定した経営健全化方針(18年度~22年度)では、公社の累積赤字を最終年度に▲7億3000万円まで圧縮するとしているが、達成は厳しい状況だ。
経営悪化の最大の原因は、解体手数料が収入の柱なのに、牛や豚が思うように集まらなかったからだ。牛で見ると、11年度から、と畜計画を年間1万2000頭と見込んでいたが、各年度の実績は8000頭台にとどまり、昨年度(20年度)も約8700頭(前年度比4・8%増)だった。
また同センターが期待を寄せていたのは、10年から始めた「近江牛」の輸出だったが、昨年度は396頭(同33・0%減)にとどまった。減少した要因の一つに、京都食肉市場がある。同市場の昨年度のと畜実績1万1500頭(同8・7%増)のうち、輸出は222頭(同2・85倍)と順調だ。京都市場は輸出対応できる最新施設を備えて、と畜料も滋賀市場の約半額だけに優位性は否めないかもしれない。
県の宇野理事は「現在の食肉センターの施設でできる限りの経営改善の取り組みを進めていくとともに、センター開設時の計画と実際の実績との乖離(かいり)が生じたり、施設の老朽化が進んだりと様々な課題があることから、センターの今後の在り方についての検討に着手したい」と話していた。








