市選管は事実確認急ぐ 参院選では改めて業者を選定
【大津】 4月7日に投開票が実施された県議会議員選挙大津市選挙区と21日に投開票が実施された大津市議会議員選挙の両方で、市内の有権者の一部に選挙公報が届かなかった事案が判明した。同市選挙管理委員会の対応に注目が集まっている。 (羽原仁志)
選挙公報は、選挙区内の全ての立候補者の経歴や政見などを分かりやすくまとめた紙面で、公費により配布される。「他の候補者と一度に見比べられるので投票の参考になる」とする有権者も多い。
公職選挙法に基づき、県と大津市では各条例で「選挙公報を1回発行しなければならない」「選挙人名簿に登録された者の属する各世帯に対して、選挙の期日の前日までに配布する」などと規定している。
同市選挙区は県内で最も立候補者が多く、県議選に12人、市議選に49人の候補者がいた。
今回、市ではポスティングによる戸別配布を実施。一般入札の結果、大阪府の企業「ラパンプラス」が1千174万1429円で落札し、配布漏れ時のフォローを含めた業務を受注していた。
県議選の投票前後から「届かなかった」「期日前投票に行けなかった」という苦情が市選管に70件以上殺到した。市では「選管事務所や期日前投票所にも予備があり、インターネットでも閲覧できるようにしていたが、それは条例にある『各世帯に配布する』を満たしているわけではなく、今回のことを重く受け止める」としていたが、後日行われた市議選でも同様の結果となった。
市選管は「委託業者からは『配布漏れ世帯へのフォローは終えた』と聞いていた。どれくらい配布できなかったのかは確認できない」と述べる。
膳所に暮らす男性は本紙の取材に対し「近所も配布はなかったと言っている。1軒だけの配布漏れということではない。選挙に関して不公平があっていいのか」と怒りをあらわにする。また、唐崎の女性は「再配布に来た人に『ポストの位置が分かりづらい』と玄関先で不平を言われた。何故、こんな悲しい思いをしなければならないのか」と肩を落とす。
県議選後、市が同企業に配布実態を確認すると、「天候が悪く予定通りに配れなかった」「人手が不足していた」などの説明があったという。現在、市では、「何を持ってフォローし終えたとしたのか」「当日の配布状況はどうだったのか」といった確認を進めており、適切な説明が得られるまでは契約金を支払わない方針としている。越直美市長は「しっかりと取り組んでほしい」と選管に申し付けた。
また、夏に予定されている参院選では改めて業者を選定するとし、「次からはこのようなことが起こらないよう、改善策を徹底していく」としている。
当該企業は本紙の取材に対し「担当者不在のため詳細は分かりません」と述べている。






