ダムだけに頼らぬ県方針に影響!?
◇県
凍結中の大戸川ダム計画(大津市上田上牧町)について、国土交通省近畿地方整備局(近畿地整)はこのほど、総合的な評価で「最も有利な案は大戸川ダム案」との結果を示した。
これを受けて三日月大造知事は「近畿地方整備局が予断なく検討した結果」と述べ、近畿地整の評価に一定の理解を示した。
滋賀県以外の関係自治体からはとくに異論は出なかったが、大阪府は「一歩前進」としつつ「事業実施では優先順位を検討してほしい」と、淀川水系の中上流部の整備推進を求めた。京都府は「効果について十分な説明をしてほしい」と注文した。
検証は、大戸川ダム案のほか、瀬田川新堰(せき)案、河道の掘削案など八つの代替案について、安全度やコストなどの七つの評価軸で行われた。この結果、安全度ではいずれの案も差がなかったが、コストや二十年後の実現性で大戸川ダム案が有利だった。
工事を再開するには、国の淀川水系河川整備計画の変更と、各自治体の同意が必要となる。
なお、同ダムは、大戸川流域の氾濫を防ぐため、昭和五十三年、利水、上水道、発電など多目的ダムとして、近畿地方整備局によって計画され、設計、用地買収が進められ、大鳥居地区などの住民が移転した。
しかし、平成二十年十一月、公共工事の見直しの機運が広がる中、当時の嘉田由紀子滋賀県知事のほか、京都府、大阪府、三重県の四府県知事が同ダムについて「治水効果は認めるが、河川整備計画に位置付ける必要はない」ことで合意し、これを重く受け止めた金子一義国交相は二十一年三月、「当面凍結する」と正式表明した。
嘉田前知事はその後、ダムだけに頼らない流域治水を掲げ、避難計画の策定や住宅のかさ上げ、避難所の設置を盛り込んだ流域治水条例を制定した。






