立地自治体並みの権限含まず
◇県
原子力防災の避難計画を策定しなければいけない三十キロ圏内の原発で唯一、県と関電で安全協定のなかった高浜原発(福井県高浜町)について、二十五日、両者の間で安全協定の締結式が行われた。
内容は、燃料輸送の事前連絡や異常時の連絡、損害の補償など。ただし、県が求めている再稼働時の同意権など立地自治体並みの権限はない。
また、同じく三十キロ圏内の高島市については、関電との安全協定は結ばれなかったが、県と確認書を交わすことで、異常時の連絡などを県から受けるとし、これを実質的な協定とみなした。
高浜原発では早ければ今月二十九日の再稼働をめざして準備が進められており、今回の安全協定締結をもって「県が再稼働を容認した」との受け止めがある。このため、締結式が行われた県公館前では、再稼働に反対する市民が集会を開いていた。
三日月大造知事は調印式のあいさつで、「今回の安全協定の締結で唯一、(三十キロ圏の原発で)協定が未締結のままだった状態を解消できた。県民、市民の安全、安心を確保する県や市の職務に照らせば一歩前進だ」と意義を述べた。
一方で「万一の原子力事故が発生した場合、被害に県境はない。琵琶湖をはじめ影響のある自治体は立地自治体並みの協定が必要と考え、安全協定締結を求めてきたが、これまでの経緯、当事者の考えがある中で、私どもの要望事項がすぐに受け入れられなかった。高島市が協定の当事者にもならなかった」と課題を挙げ、「今回の協定を出発点に、協定内容の充実へ引き続き協議を重ねていきたい」と語った。
福井正明・高島市長は「あくまでスタートライン、今後、関電と県の間で、当事者としての協定の検討、尽力を賜わりたい」、八木誠・関電社長は協定の充実へ「県と高島市と意見交換を行いながら継続的に協議を進めていく」と話した。






