9件が県指定有形文化財等に新指定
◇県
県教育委員会はこのほど、県文化財保護審議会の答申を受けて、県の有形文化財六件(建造物一件、美術工芸品五件)、史跡一件、天然記念物一件、無形民俗文化財一件の九件を有形文化財等に新指定した。
新指定を受けたのは、彫刻では、栗東市の五百井(いおのい)神社の木造男神坐像。像高は三十三・八センチ。平安時代。わが国固有の信仰形態である神祇信仰における神の姿を造形化したもの。
平成二十五年九月の台風18号に伴う土砂崩れによって五百井神社の本殿が倒壊したが、本像は幸いにも神職や氏子、文化財関係者らの捜索によって土砂の中から救出され、現在は栗東歴史民俗博物館に寄託されている。本像は俗形の男神坐像で、ぼく頭冠(ぼくとうかん=官人が朝廷に出仕するときに着用する冠)を被り、抱(ほう=官人が朝廷に出仕するときに着用する本服)を身にまとう、朝廷貴族の正装姿。平安時代にさかのぼる神像彫刻の優品で、当初の姿がほぼ完備している点が高く評価された。
美術工芸品では、東近江市永源寺相谷町に所在する相谷熊原遺跡出土品が指定された。
平成二十一、二十二年度に実施された発掘調査によって、縄文時代草創期から後期にかけての遺構・遺物を検出した。とくに竪穴建物跡は五棟確認されており、縄文時代草創期の竪穴建物としては規模が卓越している。
また土偶は、竪穴建物の埋土内から出土した。高さ三・一センチ、幅二・七センチ、重十四・六グラムを測る小形の土偶であり、豊かな乳房と腰のくびれを明瞭に表現している。
土器はすべて破片で出土した。相谷熊原遺跡から出土した縄文時代草創期の資料は、縄文時代の始まりを示す指標である、土器・狩猟具・食料加工具・住居・精神文化などの各種文化要素が揃った国内最古級のものとして評価することができるとされている。
今回指定されたほかの文化財等は次の通り。
▽建造物=邇々杵(ににぎ)神社(高島市朽木、所有・同神社)の本殿、境内社河内神社本殿、多宝塔▽絵画=絹本著色阿弥陀三尊来迎図(けんぽんちゃくしょくあみださんぞんらいこうず)・鎌倉時代(大津市の光明寺)▽工芸=金銅十一面観音不動毘沙門懸仏(こんどうじゅういちめんかんのんびしゃもんかけぼとけ)・南北朝時代(長浜市)▽歴史資料=章斎(しょうさい)文庫資料=縄文時代~近代(個人)▽史跡=三雲城跡・室町時代~戦国時代(湖南市吉永、夏見生産森林組合)▽天然記念物=竹生島のタブノキ林(長浜市の宝厳寺)▽無形文化財=近江の勧請吊習俗(かんじょうつりしゅうぞく)








