県と県立大がドングリの実の豊凶調査
◇県
県自然環境保全課はこのほど、県立大学環境科学部野間研究室の協力を得て、今秋期のツキノワグマ出没予測のために湖北、高島地域の山地でのどんぐり(堅果類)の結実調査を行った。
これまでの研究で、ブナ、ミズナラ、コナラなどは、ある程度の広がりを持った地域で結実の豊凶が同調し、この傾向はアケビなどの液果類においても見られるとされてきた。
ブナ・コナラ不作 ミズナラ並作で推測
今回の調査によれば、今年度の結実状況は▽ブナ、コナラは不作▽ミズナラは並作―とわかった。そのような観察結果とほかの地点の聴き取りの状況から、今年度のブナやコナラは着果個体がやや少なく、いずれも「不作」であることがわかった。
ミズナラについては着果個体が比較的多く並作であった。
このように今年度の堅果類全体の実なりは全体的に平年よりもやや少なめの状況であり、特に奥山に分布するブナの実なりが悪いため、ツキノワグマが生息付近の集落へ出没する可能性があると推測される。
ただし堅果類は昨年よりは実なりが上回っていることや、液果類については平年並みに着果が見られることから、昨年ほどの大量出没にはならないと考えられるとしている。
しかし、特に平成十六年度、十八年度、二十二年度、二十六年度にツキノワグマの出没が相次いだ地域においては、比較的出没が多くなる可能性があり、注意が必要だ。
自然環境保全課では「クマとの遭遇(そうぐう)を防ぐために、人家付近には収穫残渣(ざんさ)や生ゴミなどツキノワグマの誘引物(えさとなるもの)を置かないようにし、収穫の予定のない柿や栗の実、ハチの巣などは撤去を。また、早朝や夕方などには単独での行動を避け、自分の存在を知らせるため、ラジオ、笛、鈴などで音を出して行動し、ツキノワグマとの遭遇に十分注意をしてほしい。さらに道端や人家周辺のやぶを刈り、見通しをよくすることは、不意の遭遇を避けるうえで効果的」と話している。
ツキノワグマ
県内におけるツキノワグマの主な生息地は、湖北地域、湖西地域、比良山系、鈴鹿山系。
主な出没地点は、湖西地域と湖北地域の山地と平野部の境界部だが、十六、十八、二十二年および二十六年の状況から類推すると、これ以外の低標高地域に出没する可能性がある。
ツキノワグマは東中国地域、紀伊半島など六つの地域個体群が絶滅の恐れがあるとされており、滋賀県のツキノワグマも「県レッドデータブック2010年版」で、「希少種」として位置付けられている。
なおツキノワグマは本来は温厚で臆病な動物で、過度に恐れることはないとされている。






