「国会議員特別枠」の説明求める声相次ぐ
◇全県
武藤貴也衆院議員(36)=滋賀4区=は十九日、未公開株をめぐる金銭トラブルを週刊文春に報じられたことで、「これ以上、党に迷惑をかけるわけにはいかない」などとして、自民党の谷垣禎一幹事長に離党届を提出し、党本部は同日付で受理した。同党県連関係者は「仮に来週発売の週刊文春で衝撃的な報道があって、万が一、武藤氏が来年三月十五日までに辞職する事態に追い込まれれば、来年四月に補欠選挙が行われることになるが、安保関連法案による逆風も予想され、できるだけ避けたい」と戦々恐々だ。武藤氏の離党騒動に揺れる県内の各党の声を追った。【石川政実、高山周治】
武藤氏はツイッターで安全保障関連法案に反対する学生集団を「『戦争に行きたくない』という自己中心、利己的考え」と書き込み、野党をはじめ、自民党内からもひんしゅくを買った。
さらに十九日発売の週刊文春によると、同氏は昨年、「国会議員枠で買える」と未公開株購入を知人らに持ちかけ、二十三人から約四千百万円を集めたが、株は実際には購入されず、出資金の一部も返済されていないという。
この報道を受け、武藤氏は同日、自民党を離党したが、地元滋賀でも、大きな波紋を呼んでいる。
上野賢一郎・自民党県連会長(衆院議員)は「武藤氏は県連所属の国会議員だっただけに、県民の皆さんに申し訳ない思いだ。ただ、週刊誌の報道だけでは事実関係がわからないので、本人が国会議員として説明責任を果たしてほしい」と苦渋の表情だった。
佐野高典・同党県連幹事長も「武藤氏が離党することを事前に上野県連会長も私も聞いておらず、はなはだ遺憾だ。週刊誌で金銭トラブルが報じられているが、武藤氏は説明責任を果たすべきだ。同氏の離党によって、4区の支部長は空白になったため、役員会を開き、今後の対応を協議したい」と述べた。
林久美子・民主党県連代表(参院議員)は「武藤氏が自民党を離党しても、週刊誌の報道が事実かどうかについての説明責任は免れない。とくに『未公開株が国会議員枠で買える』と言ってカネを集めたのが事実なら、看過できない問題であり、国会でも厳しく追及していく」としている。
中沢啓子・民主党県連幹事長も「フェイスブックでの書き込みやカネにまつわる週刊誌の報道があっても、記者会見をせず、きちんと説明しない武藤氏の態度は、県民として情けない思いであり、県連からも同氏に説明を求めていく。自民党も国会議員枠があるのか、調査して自らの潔白を晴らすべき」と怒りを隠せない表情だった。
奥谷和美・共産党滋賀県委員会委員長は「国会議員株があると言って未公開株で金を集めているのが事実なら、そのこと自体が問題だ。政治家である以上、説明する責任がある。自民党も、離党させて頬かむりをしていいのか。党として公認して当選させた以上、調査・究明し、しかるべき措置をすべきだ」と批判した。
武藤氏のライバルでもある岩永裕貴・維新の党県総支部代表(前衆院議員)は「武藤氏が権力を持つものとして、ツイッターで若者の多様な声を一方的に否定するのは、民主主義の立場からも控えるべきだ。週刊文春の報道について、武藤氏は4区の有権者に対し、説明責任がある。これが事実なら法的な問題も出てくるだけになおさらだ」と語った。
安保法案に反対する若者らの市民団体「しーこぷ」のメンバーは「説明をきちんとしていただきたい。離党で済ませられると判断するのは、理解に苦しむ。やってはいけないことをしたならば、議員を辞めるべきだ。今回の安保法案を反対する若者に対して『自分中心』『利己的』と批判していた。しかし、その一方で、武藤氏は自分にとって都合の悪いこと(出資金を巡るトラブル)は隠し、説明せずに離党でおさめようとしている。これこそ『利己的』だ」と憤った。





