初の懇話会で活発な論議
◇全県
県はこのほど、有識者で構成する「県新しいエネルギー社会づくりを考える懇話会」(座長=槌屋治紀・京都エコエネルギー学院学院長)の第一回会合を県庁で開催した。
県は平成二十五年、「卒原発」を目指して「再生可能エネルギー振興戦略プラン」を策定し、導入目標を設定した。これを受け、来年三月までに「(仮称)新しいエネルギー社会の実現に向けた道筋(行程表)」をまとめる予定で、懇話会の意見も反映する。
会合では、橋川武郎・東京理科大学大学院教授が「福井県では廃炉になる原発が出てくるが、廃炉で余る送電線をどう使うか。また天然ガスのパイプラインが新潟~富山、彦根~四日市(三重県)まで敷設されており、これらをつなぐ中で、県の戦略的な重要性が増してくる」と指摘した。
枝廣淳子・幸せ経済社会研究所長は「滋賀は、せっけん運動から菜の花プロジェクトなどを生みだした草の根運動の先進県であり、『新しい豊かさ』のエネルギー社会を示すことは他の地域への影響が大きい」と期待を寄せた。
伊原智人・GreenEarthInsutitute(株)社長は「県内では太陽光を利用した市民共同発電所が進んでおり、そこではファンド(住民や企業出資による基金)をつくっているが、このような機構に省エネも加えて、県だけでなく関西地区にまで広げればどうか」とファイナンスの視点を強調。
大和田順子・一般社団法人ロハス・ビジネス・アライアンス共同代表は「エネルギーは地域資源だ。里山を市民が参画して整備し、CO2削減に貢献するなど、小さなところから取り組んでいくことが大事」と市民参画の重要性を語った。
安田昌司・県立大学産学連携センター教授は「県内の湖南工業団地ではエネルギーを企業間で融通し合い、エネルギーが安定的に安く供給され、CO2排出量も下げるアイデアが出ており、全国的なモデルになる」と先進事例を紹介した。
横山隆一・早稲田大学名誉教授は「東日本大震災を経験して、大きなダメージがあっても回復する力が重要になっている。災害(防災)拠点を分散化し、エネルギーを自立させるべき」と強調した。
槌屋座長は「新しい技術開発を展開し、若い人に希望の持てる社会につなげたい」と述べた。
懇話会は今後二回程度開く。これを受け県は来年早々にも道筋の案をまとめる。





