県の地方創生戦略 45年後、約129万人目指す
◇全県
東京一極集中の是正や人口減少抑制への対策を盛り込んだ地方版「地方創生」総合戦略の立案が、県と市町でそれぞれ進められている。全国で数少ない人口増加県だった滋賀県でも、昨年十月から県全体で減少局面に入り、暮らしや経済などで様々な影響が予測される。県と市町の課題と動向を整理した。(高山周治)
長浜市 観光振興などでブランド向上
守山市 地元の雇用創出へ産官金連携
同戦略は、国の「まち・ひと・しごと創生法」に基づくもので、年内の策定が求められており、計画期間は平成二十七年度から五年間としている。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、二〇四〇年の県人口は現在より十万人少ない百三十万人とされ、県南部の草津と守山、栗東の三市を除く、十六市町で一割未満~二割以上の減少が見込まれる。
このうち、従来から人口減少対策に取り組む長浜市は六月、県内で最も早く総合戦略を策定した。同市の人口減少はとくに旧伊香郡四町(高月、木之本、余呉、西浅井)で著しく、平成二十二年の合併時と比べて、現在は二万五千七十五人(七月一日現在)と七%以上も減った。
これを踏まえた施策では、少子化対策のほか、地域の観光資源を生かした観光振興、バイオ産業振興などで活性化を図り、人口十万人を維持する。
これに対して、県南部の守山市は、当面人口は減少しないものの、将来の活力維持のため、地元の商工農の充実に力を入れる。
このため同市は、金融機関と商工会議所、JA、有識者などによる「しごと部会」を設置し、中小企業の活性化や農業の六次産業化、観光振興などを検討している。
担当の同市みらい政策課は「市内に雇用の場がなければ、若者はいずれ都市部へ出て行ってしまう。様々な視点で雇用創出を検討したい」と意気込む。
一方の県は十三日、県版「総合戦略」の素案を県議会・地方創生特別委員会で明らかにした。それによると、出生数を一・八以上(平成二十五年一・五三)に上げるなどして、人口目標を二〇四〇年に約百三十八万人、二〇六〇年には約百二十九万人を目指す。
具体的な施策としては、結婚から子育てまで切れ目ない支援、成長が見込まれる医療・健康分野の産業創出、魚のゆりかご水田など琵琶湖を生かした滋賀ならではの農業システムの「世界農業遺産」認定など十八のプロジェクトを盛り込む。
素案に対して委員からは「従来の施策とは違った視点が必要」と、滋賀県ならではの特色を求める意見が出た。
なお、県は今後の県内市町や関係機関と意見交換をしながら、八月に原案、十月末に最終版を策定する。





