吉良氏の死去惜しむ声
◇全県
現在の琵琶湖環境科学研究センターの前身である琵琶湖研究所の初代所長として昭和五十七年から十二年間、湖の保全や周辺地域の環境問題に広い生態学的視点から取り組んできた吉良龍夫氏が十九日、九十一歳で亡くなり、県内各界から同氏を惜しむ声が聞かれた。
元知事の武村正義・元大蔵大臣は、知事時代に吉良氏を琵琶湖研究所の初代所長に招いた。まさに吉良氏は、三顧の礼で迎えられた三国志の諸葛孔明だった。リンなどの排出規制を盛り込んだ琵琶湖富栄養化防止条例(昭和五十五年施行)にも、吉良氏の知恵が反映されている。
さらに世界の湖沼の保全に向けて同五十九年の第一回世界湖沼会議を主導し、国際湖沼環境委員会(ILEC)創設にも尽力。自らも科学委員会委員長として、世界の湖沼環境問題の研究と活動に貢献した。
琵琶湖研究所時代に一研究員として吉良氏から薫陶(くんとう)を受けた嘉田由紀子知事は「現在、滋賀県が取り組んでいる琵琶湖政策や世界への貢献において欠くことのできない礎(いしずえ)を築いていただきましたことに、感謝しております。個人的にも、琵琶湖研究所の研究員として歩き出した私自身大いにご指導いただき、琵琶湖研究の最大の恩人です。吉良龍夫さんの志を大切に受け継ぎ、美しい琵琶湖を次世代に引き継いでいきたい」とコメントを発表し、吉良氏の死去を惜しんだ。
【吉良龍夫(きら・たつお)氏の略歴】
大阪市生まれ。京都帝国大学農学部農学科卒。京都大学農学部助教授、大阪市立大学理学部教授、同大学理学部長などを経て、昭和五十六年に、県理事、琵琶湖研究所設置準備室長、同五十七年に県琵琶湖研究所所長に就任。同六十一年に(財)国際湖沼環境委員会科学委員、理事(副理事長を経て現在は顧問)。平成十七年から県顧問(琵琶湖環境科学研究センター担当)






