「“時間切れ”を理由にすべきでない」
◇湖南
滋賀など近畿二府五県で設立を目指す広域行政組織「関西広域連合」に向けて、嘉田由紀子県知事は十六日に開会した九月定例県議会に、設立に必要な規約案を提案した。府県をまたぎ防災や医療などを行う広域連合への滋賀の参加をめぐって、激しい論戦が繰り広げられている。そこで谷畑英吾・湖南市長に、市町から県 の取り組みをどう見ているのかを聞いてみた。【石川政実】
――嘉田知事は十六日開会の九月定例県議会で、「関西広域連合」設立のための規約案の提案説明を行いましたが。
谷畑 先月の定例記者会見(湖南市)では、嘉田知事が“県政の見える化”ということで、県と市町の対話の場を設けたいと発言されていることについては好ましいと嘉田県政を評価させていただきました。
しかし、知事が重要な問題に関して県と市町との対話を約束したにもかかわらず、一か月も経たないうちに、市町にはひとことの断りもなく、新たに屋根の上に屋根をかけるかたちで地方自治の枠組みを大きく変える(関西広域連合の)話を県だけで一方的に進めるというのは、県内市町に対して大変失礼だし、約束を平 気で反故にする不誠実さと不透明さに悲しさを感じます。
――広域連合を目指す他の二府四県と足並みを揃えたいという焦りが滋賀県にはありますね。
谷畑 毎回同じことですが、今回も「時間がない」ということが理由だと思います。これまで新幹線新駅問題も、造林公社問題も、ダム問題も、RD問題も、乳幼児医療費削減問題も、補助金削減問題も、そして今回の基本構想改定についても、いずれも「時間が迫っている」ということで、最後は事務方のやっつけ仕事になってしまってきました。
課題を提示しているのは県側なのに、それまで一体何の議論を重ねてきたのか、議論をする時間はこれまで十分にあったのではないかと思いますが、今回も民主的な議論の積み重ねを放り捨てたまま、他の府県が待てないからという「時間切れ」の理由にならない理由で県民との対話を回避しようとしているように思 えます。
知事選後に一部の新聞が「女帝」という懸念を聞接的に伝えておりましたが、民主主義は手続きであり結果ではありませんので、県民置き去りで、県が果たすべき責任を広域連合に投げて終わりとならないよう、マスコミの皆さんにはしっかりと監視をお願いしたいと思います。
――谷畑市長は、いまだに知事と市町長の会議をセッティングしない県の手続き不備に不満があるわけですね。
谷畑 各市町とも間もなく予算編成時期を迎えますので、予算編成に着手してからの会議になれば、またぞろ毎年のように県の一方的な提案と市町の猛反発という不毛な対立になるのではないかと、今から嫌気がさしています(苦笑)。







