県、民間の連携で新しい「地産地消」のモデルへ
◇湖南・草津市
県は先月から、南湖で異常繁茂しているオオカナダ藻などの水草刈り取り事業を開始しているが、草津市の建設業者はこの除去された水草を乾燥し、家畜の飼料にする全国でも珍しい試みを行っている。新たな「地産地消」のモデルとして注目を集めそうだ。 【石川政実】
強風を伴う台風が滋賀を襲った昨年十月、大津市の浜大津~由美浜の湖岸を大量の水草が埋め尽くして、悪臭がたちこめた。これは、南湖でオオカナダ藻などの水草が異常繁茂したのが原因だ。南湖で繁茂している水草の総量は、乾燥前で約十万トンと推定されている。
県は昭和五十二年度から、外郭団体の淡海環境保全財団などに委託して水草の刈り取り事業を実施しているが、一年に刈り取る総量は、自然環境保全課分で約二千トン(乾燥前)に過ぎない。
今年も先月二十七日から、刈り取り作業が始まっている。刈り取られた水草はこれまで、県が借地料を支払っている近江八幡市津田町地先(沖島漁協の所有地)に敷き詰めて、土壌改良物として利用されていた。しかし実態的には、廃棄処分といえる。
県が除去した水草を自社の「バイオマス乾燥プラント機」(写真)で乾燥させ、豚など畜産の飼料にできないかと目をつけたのが白畑建設(本社・草津市)。
陸揚げされた水草を買い取って、信楽エコフィード製造工場(甲賀市信楽町)のバイオマス燃料乾燥炉で乾燥させて飼料化し、畜産農家に販売しようというのだ。
この乾燥炉は、建築廃材などのリサイクルによる木質チップをバイオマス燃料として利用し燃焼させ、この熱風を乾燥炉に送り込んで、オオカナダ藻などを乾燥処理して飼料にする仕組みである。すでに先月初めから試験的に水草三百トンを乾燥・肥料化しており、今月からいよいよ本格稼動させるという。
同社環境事業部の大塚正昭・顧問工場長(68)は「この乾燥機の一日の処理能力は、乾燥前の水草なら十五トン、飼料換算では三・七五トンとなる。オオカナダ藻などの水草を乾燥して飼料化するのは全国で初の試みだ。なお飼料の価格は、一トン当たり約二万円程度で、県内の畜産農家などに販売していきたい」と話している。
刈り取られた水草はこれまで、堆肥(たいひ)化されていたのが、飼料化されることで新たな「地産地消」モデルとして注目を集めそうだ。






