小学6年生男児の闘病に寄り添う 国へ研究充実など求める請願署名
◇大津・大津市
髄液が慢性的に漏れ続け、歩けなくなったり、視力や記憶力が低下する難病「脳脊髄(せきずい)液減少症」。昨夏に発症した大津市日吉台の左嵜将太君(11歳)は学校にほとんど通えず、自宅で闘病生活を続けている。聞き慣れないこの病気は、研究が進んでいないため国の診断基準はなく、健康保険が効かないのが現状だ。そんな窮状を見かねた地域住民はこのほど、病気の認識を社会で広め、学校や社会に復帰できる体制をつくろうと、「脳脊髄液減少症を考える日吉台の会」の発足集会を開き、約二百人が理解を深めた。
脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツ外傷、出産など強い衝撃で引き起こされる。医療機関の認識が低いため通常の検査では見抜けず、怠け病あるいはうつ病に片付けられることが多かった。
将太君がこの病気を発症したのは昨年八月。小学校の遊具から飛び下りた瞬間、全身に強い衝撃を感じ、その日の夕方に吐き気に襲われた。数日後には歩けなくなり、救急車で市内の病院へ搬送された。
当初は検査をしても原因が分からなかったが、やがて脳脊髄液減少症と分かった。このため十一月下旬まで入院し、奇跡的に歩けるようになったが、再び今年二月中旬から歩けなくなってしまい、自宅で療養することに。
母親の栄子さんによると、朝はとくに調子が悪く、毛布をぐるぐる巻きにして頭を抱え、頭痛、吐き気、めまい、耳鳴りに耐えている。天候(気圧)の変化に敏感で、雨だと一日中歩けない。
たまに調子がよくて歩ける時があり、親子で散歩に出かけるようにしているが、社会の認識が低いので、いつの間にか人の歩かない道を行ってしまうという。
集会で日々の思いを語った栄子さんは、「子どもに自信をもって歩けという自分が、そうでないかもしれない」と声を震わせた。
父の克美さんは「日本中の医師がこの病気について考えてもらえれば」と訴え、発起人の一人・山下英子さんは「安心して治療を受け、学校に行ける日吉台をつくり、県内市町へも広めたい」と語った。
なお、考える会は請願書を国へ提出するため、署名を呼びかけている。内容は、▽研究の充実▽学校・社会へ復帰しやすい体制整備▽医療機関の拡充―などとしている。







