「捨てる」から「生かす」へ 低コスト、CO2削減、良好な肥育
◇大津・大津市
外食産業や食品加工で生じた廃棄食品を捨てずに、畜産に生かす液体飼料(リキッドフィード)が、リサイクルシステムとして注目を集めている。生ゴミである食品を廃棄する場合、焼却などで膨大なコストが必要だが、液体飼料化はブレンド工程が中心なので、コストと二酸化炭素の削減につながる上、肥育面でも優れた効果がみられる。
大津市内の小中学校三十九校の学校給食は、一日当たり約二万一千七百食が提供される。このうち余ってしまう牛乳は、現場指導で年々減少しているものの、想定外の欠席などで、全くゼロにするのは難しい。
同市教育委員会によると、学校給食で余った牛乳(未開封)は、年間で平成十九年度=十九トン、二十年度=十六トン、二十一年度=十三トンだった。
これらの牛乳について市は平成十九年度から、収集運搬業の甲陽興産(甲賀市)に回収を委託。同社は飼料化を提案し、一~二週間ごとに市内三か所の給食センターと公立志賀中学校で回収し、イガ再資源化事業研究所(三重県伊賀市)のリサイクル工場(処理能力一日当たり五十トン)へ運搬している。
同研究所の工場には、近畿・東海一円の食品加工場や外食産業から、毎日約四十トンの廃棄食品が搬入され、一日当たり三十五トンのリキッドフィードが製造される。
牛乳は、パンくずやヨーグルトかす、惣菜くずなどとブレンドされ、混合機で六時間かく拌して発酵させ、タンクで熟成させる。出来上がったリキッドフィードは水分七五%の液状なので、タンクローリーで直営養豚場(約三千頭飼育)へ運ばれる。
乳酸発酵されたリキッドフィードは、豚にとって胃腸にやさしくて消化によく、乾燥飼料と違って粉じんを吸い込むことがないので病気になりにくい。さらにピンク色の肉質はやわらかく、甘い。
同社の高野康男社長(65歳)は「リキッドフィードは、環境とコスト、肥育のいずれもクリアーした優秀なリサイクルシステムだ。今後は直営牧場の豚肉のブランド力をさらに高め、リキッドフィードの良さを広めていきたい」と意欲的だ。








