三田池で第二の人生
◇東近江・竜王町
竜王町立竜王小学校の五年生が八日、田んぼの雑草除去や害虫駆除などで活躍したアイガモ九匹を、同町山之上にあるアグリパーク竜王の三田池に放した。
稲作体験学習として、同小学校では、田んぼ約七百アールで秋の詩を栽培。環境にやさしい農法を実践するため、児童らは五月生まれのアイガモをヒナの頃から育て、一緒に米づくりに取り組んできた。
病気や野生獣に襲われて亡くなったヒナのためにお墓を作り、欠かさずお参りするなど、愛情を注いだ分だけ大きくなる悲しみをかみしめ、命の重さも痛感。関川雅之校長は「アイガモ農法を通して、児童たちは『あなたの命を私の命にさせていただきます』という意味を込め、食事前に手を合わせていることを改めて学んだ」と語る。
今月二十五日の稲刈りを前に、児童らは▽食べる▽飼い続ける▽放つ―という三択から話し合い、大きな池のあるアグリパーク竜王にアイガモを放ち自由にしてあげることを選んだ。
遠くへ飛んでいかないよう、児童代表七人が羽を切ってから三田池に放鳥。お別れ式に駆け付けた竹山秀雄町長は「ここまで育ててくれてありがとう。これからもここへ来たら、自分たちが育てたアイガモに手を振ってあげてほしい」と呼び掛けた。
九匹の中で一羽だけ色の違うアイガモを「番長」と呼ぶ児童ら。「(羽切りは)骨を折っているような感触で、自分たちが育ててきたのでかわいそうになった」と語り、一つの群れになって新たな住処(すみか)をスイスイと泳ぐアイガモたちに別れを告げた。








