蒲生地区まち協 約350人参加
◇東近江・蒲生
蒲生地区まちづくり協議会(向井隆会長)は先月二十九日、郷土の魅力を再発見しようと「まちづくり交流会」をあかね文化ホール大ホールで開き、地区内外から集まった約三百五十人が蒲生野とゆかりのある万葉文化に浸った。
交流会テーマは「万葉に想う」。白村江の戦いから壬申の乱までの歴史ドラマを、フリーアナウンサー・北村妙子さんが箏・三弦教授・藤澄京子さんの演奏に合わせて語り、万葉時代をイメージした衣装を身に付けた朗読サークル・ひだまりの会メンバーが幻想的な世界観を演出、参加者を引きつけた。
続く講演では、万葉世界を描き続けている大津市在住の日本画家・鈴木靖将さんが、三十六年前に「万葉集」と出会い魅せられたきっかけから話し始めた。
「万葉集は日本人がどこからきたのか、ルーツをたどることだと思う」。ルーツを探し求めて韓国や中国を旅するうちに「万葉集は日本独自の文化ではなく、中国・韓国・日本といった東アジアの古代の人々の交流の中で生まれたものだという認識を持った」という。
四千五百首以上ある歌の七割近くが恋愛を題材とし、ノンフィクションの世界が広がる。「貴族や百姓、遊女、兵士などあらゆる階層・身分の人が詠んだ歌が集められており、人間の心の原点ともいうべきストレートな心の叫びが存在する。国境を越えて人の心を打つ文学だからこそ、千三百年以上も生き続けるのではないか」と、鈴木さんは人類共通語ともいえる絵画を通して万葉文化を発信する。
また、二人の権力者から愛された額田王が詠った“あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る”や沖島に住む女性に恋焦がれる男性の歌、禁断の恋に落ち罪人となった男性と女性の相聞歌を紹介し、人を思う心の強さや美しさも説いた。
最後に「万葉集は最も古い歌だが、最も新しい歌だと思う。(蒲生野一帯は)万葉集が濃厚に息づいている地域であり、それを誇りに財産を生かしながら、住んで楽しいまちづくりに取り組んでほしい」と締めくくり、参加者の万葉集への興味をかき立てた。








