来年1月、甲賀市碧水ホール
◇甲賀・甲賀市
湖国の風情を愛した世界の巨匠、溝口健二監督の優秀映画鑑賞会が、来年一月二十四日、二十五日、甲賀市碧水ホール(甲賀市水口町)で開催される。
溝口監督(明治三十一年―昭和三十一年)は、戦前では「滝の白糸」「浪華悲歌」「残菊物語」など傑作を発表し、戦後は「西鶴一代女」(昭和二十七年)でヴェネチア国際映画祭で国際映画賞、「雨月物語」(二十八年)「山椒大夫」(二十九年)で同祭銀獅子賞を二年連続で受賞し、世界的な地位を確立した。
世界の映画作家に影響を与え、二〇〇五年のアメリカタイム誌で発表したベスト映画100では、「東京物語」「生きる」「用心棒」とともに「雨月物語」が選ばれた。
なお、観賞会は「山椒大夫」(1/24・10時20分、1/25・15時)「雨月物語」(1/24・13時、1/25・10時20分)「西鶴一代女」(1/24・15時)「近松物語」(1/25・13時)を上映する。入場は一回五百円、三枚セットで千二百円。問い合わせは同ホール(TEL0748―63―2006)まで。
▽「山椒大夫」=田中絹代、花柳喜章ら。森鴎外の短篇小説を原作に中世荘園の奴隷制度における悲劇をリアリスティックに描く。
成人してからの姉・安寿、弟・厨子王に重点が置かれている。絶妙なカメラによる美しいシーンが随所に見られ、その乾いた画調には鬼気迫るものがある。
▽「西鶴一代女」=田中絹代、三船敏郎ら。原作は井原西鶴の「好色一代女」。ヒロインの白己主張や被害者意識を極力排し、男性本位の都合で不思議な一生をたどってしまう女を描く。
▽「近松物語」=長谷川一夫、香川京子ら。宮中の大経師の手代・茂兵衛は、ある誤解から師の後妻おさいと不義密通の汚名を着せられる。師の怒りを買った二人は、家を逃げ出し、たどり着いた琵琶湖で入水自殺を考える。しかし、いつしか二人には真実の愛が芽生えていた。
▽「雨月物語」=京マチ子、水戸光子ら。上田秋成の短篇「浅茅ケ宿」と「蛇性の淫」を原作に、欲望と幸福、戦争と平和を主題に戦国時代の二人の夫婦を対照的に描く。霧に覆われた湖を行く船や朽木屋敷の描写、森雅之扮する源十郎が故郷の家に帰ってからの場面などに、独特な様式美を感じとることができる。






