「大雅と蕪村~その門人たち~」展
DVD&ビデオ
最優秀賞に清水さん親子
足太あわび茸豊作
宗教曲歌う 日野女声合唱団
■平成19年6月10日(日)第14745号
■平成19年6月10日(日)第14745号
▲医師不足で分娩を休止した彦根市立病院
全国的な産婦人科の医師不足は、住み慣れた地域で出産したくても病院に産婦人科医がいないため入院できず、分娩場所を確保できない妊婦、いわゆる「お産難民」の問題を引き起こしている。県内では、公立高島総合病院が昨年四月に産科を閉鎖(今年五月から再開)したのに続き、彦根市立病院でも今春、分娩を休止するなど、地域の緊急医療を担う中核病院で異変がおきている。
【高山周治】
彦根市立病院(彦根市八坂町)はもともと産科医四人が常勤していたが、このうち三人が別の病院への移動や開業で退職し、常勤医が一人になったため分娩をやめ、妊婦検診のみ行っている。
湖東地域(彦根、多賀、甲良、豊郷)の分娩数は年間千二百│千三百件。これに対して市内で分娩を取り扱っているのは、神野レディスクリニック(同市中央町)のみで、受け入れ可能なのは年間五百件が精一杯。
市内で分娩できない妊婦は、他市へ移るしかない。このため近江八幡市立総合医療センター(近江八幡市土田町)では分娩希望者が急増、すでに七月まで満床となり、受け入れを制限している状態だ。
同センターは「リスクをともなう妊産婦の受け入れ、さらに救命救急センターとして産婦人科救急患者の受け入れに支障をきたす恐れがある」と理解を求める。
産科医が減っている背景には、昼夜問わない勤務や医療事故による訴訟増加がある。女医の増加も遠因だ。新人産科医の男女比は全国的に、女性が五│七割を占める。ところが女医は結婚、出産を機に退職するケースが多く、四十歳で医師を続けている確率は男性八割に対して女性は五割にとどまる。
追い打ちをかけるのが研修医制度のあり方である。平成十六年の改正までは、教授の指導で大学の研修医が地方の中核病院へ派遣されていたが、改正以降、研修医自身が選べるようになり、勤務体制や給与面で恵まれた大都市へ偏るようになった。
ちなみに県内で分娩を取り扱っている病院(診療所除く)は、平成十五年四月で二十だったのが、同十九年五月三十日現在には十四に減少した。現状を圏域別にみると、大津地域三(平成十五年・四)▽湖南地域五(五)▽甲賀地域一(一)▽東近江地域二(二)▽湖東地域〇(三)▽湖北地域二(三)▽湖西一(二)----となっている。
このような中で、彦根市は、分娩可能な民間診療所の新たな開業に対し、一定の補助金を交付する制度を設け、四日の市議会に補助金一億一千八百万円を盛り込んだ補正予算案を提出する。
同市によると、神野レディスクリニックを経営する医療法人が診療所(十九床)を新たに運営し、同クリニックとともに湖東地域の分娩の受け皿になるという。
また、県は結婚・出産で離職した女医の復帰を促すため、子どもの保育料や専門書購入を賄う補助金と貸し付け制度を制定する。貸し付けは一定期間、県内病院で勤務すれば返還しなくてよい。
県医務薬務課の河原田智司参事は「病院勤務医の過重労働が緩和されない現状では、彦根市のようなケースが他地域でも十分起こりうる。なり手の少ない現在、採用だけでは現状を好転させるのは難しく、離職しないように防いで現状の医師数を維持することも重要」と指摘している。
記者の目
「案ずるより産むがやすし」というよく使う諺がある。物事をする前は心配するものだが、やってみると簡単にできるもの、という意味だが、どうやら由来のお産が、諺どおりにはいかなくなってきた▼彦根市の市民グループ「安心なお産を考える会」は、地方の産科医不足を解消しようと、百万人署名を全国の団体と連携して実施している。その思いが通じたのか、国は本腰を入れはじめた▼「案ずるより産むがやすし」の環境は、安全神話が揺らぎはじめた今、市民と医師、行政でつくり上げるものかもしれない。問題の根底は複雑だが、私も関心をもっていこうと思う。
◆大津・大津市◆
県立琵琶湖文化館(大津市)は七月十六日まで、「大雅と蕪村~その門人たち~」展を開催している。
江戸時代中期に紀州の儒者祇園南海(一六七七~一七五一年)や、大和郡山藩の国家老柳沢淇園(一七〇四~五八年)らを先駆者として興隆した日本の文人画は、池大雅(一七二三~七六年)と与謝蕪村(一七一六~七三年)により日本独特のものとして大成をみ、日本の絵画史上大きな光を放っている。
大雅は、中国文人画に画人としての理想を求めて、祇園南海や柳沢淇園などの先達から画法を学び、また数多くの中国からの舶載画によって、独自の文人画スタイルを簗いた。蕪村もまた俳諧のかたわら中国文人画を手本として、日本的詩情豊かな新画風を形成して行った。両者は京都に生活の拠点を置き、ひとしく同時代を生きた文人画家であり、当然何らかのかかわりはあったと思われますが、あまり具体的に知ることはできない。大雅と蕪村の個性的な作品を中心に、その門人たちの作品をあわせて、二十六点展示している。
東近江市はこのほど、合併によって広域となった同市を広く紹介するDVDとビデオを作成した。
市のまちづくりや歴史、文化、観光、行事などを多くの市民に知ってもらい、市域の一体感を醸成しようと、総合計画に基づくまちづくり紹介の全体編(十二分)と、分野別(歴史文化四分、観光と催し七分)を編集。万葉集に登場する市の花・ムラサキの説明や春の大凧祭り、永源寺の紅葉など四季折々の映像もある。作成部数はDVDが七十枚、ビデオが三十本。
市役所本庁や各支所、公民館等に配布したほか、市内七つの図書館で貸し出を始めた。また、教育ネットワークを通じて配信し、各小中学校の授業にも活用していく。
▲最優秀賞に選ばれた清水さん親子
東近江市五個荘小幡町の五個荘保健センターで七日、同市の「親と子のよい歯のコンクール」が開かれ、宮川町の清水由佳さん(36)と雅生くん(4)が最優秀賞に選ばれた。清水さん親子は今月二十一日に行われる東近江保健所管内の同コンクールに市代表として出場する。
コンクールは、子どもの歯の健康管理を通して親子で歯を大切にし、市民の意識高揚・健康増進につなげようと、歯の衛生週間(四~十日)に合わせて毎年行なわれているもので、昨年度に三歳児歯科検診を受けた対象者のうち五組の親子が出場。吉村圭浩歯科医師により、虫歯の有無、歯並び、かみ合わせなどの審査が行われた。
最優秀賞に選ばれた清水さんは「毎日の歯磨きはもちろん、おやつも歯に付かないものを選ぶなど、虫歯予防に気を付けています。私自身も定期的に健診を受けるよう心がけています」と話し、雅生くんと一緒にニッコリ、きれいな白い歯を見せた。
優秀賞には、北清水町の太田裕美子さんと晏華ちゃんが選ばれた。
主催の同市では「使い続ける大切な歯、歯の健康は体の健康です。八十歳で二十本の歯を残す“8020”を目指しましょう」と呼びかけている。
▲冬眠から目覚めて勢いよく姿を現した足太あわび茸(竜王町西川の健康農園ビタミン村で)
「爆発する勢いだ」と語るのは、竜王町の特産品“足太あわび茸(あしぶとあわびだけ)”を生産する株式会社ヌーベルムラチ・邑地礼子代表。まちおこしの一助にと始めてから十一年目の今年、新たな試みで増産に成功し、現在、かつてない勢いで生育するあわび茸の収穫に追われている。
切り口が鮑(あわび)そっくりの足太あわび茸は、台湾原産のキノコで、脂肪をエネルギーに変え代謝させるビタミンB2が他のキノコの倍以上含まれており、アミノ酸やタンパク質、食物繊維も豊富で栄養価が高い。
量販店に出回っていない背景には、ビニールハウス内の温度・湿度を一定に保っていても外気温が低いと生育せず、気候が変動する日本では年中栽培が困難であることが挙げられ、生産に乗り出すも失敗する人が多い。
特に冬場は、寒さで収穫前に菌床が死ぬ場合があり、原油価格の高騰によりコスト管理も難しい。そこで、邑地代表は、通常十五日サイクルで収穫するところ、今年初めて一~三月の生産を中止し、昨年十二月に植え付けた菌床一万本を冬眠させた。
菌が死んでいないかびくびくしながら、三月中旬にハウス内の温度を上げると、かつてない勢いであわび茸が顔を出し、肉厚で大きく繊維もしっかりした品質の高いものが大量に生産できたという。
完全無農薬で育てられた足太あわび茸は、「竜王町へ少しでも足を運んでほしい」との思いから、同町内にある道の駅竜王かがみの里とアグリパーク竜王、栽培施設の健康農園ビタミン村のみで直売している。
また、おつまみに最適なカリッと仕上げの“あわび茸ちっぷす”や新商品の“あわび茸山椒煮”、昆布入り“あわび茸のお酢のもの”など加工品も人気が高い。
足太あわび茸に関する問い合わせは、ヌーベルムラチ(0748―58―2377、ホームページhttp://www.murachi-g.com/)まで。
▲コンサートに向けて練習に熱が入る日野女声合唱団の団員たち(日野町の必佐公民館で)
日野女声合唱団(西村隆子代表)がこのほど、伝統ある声明(しょうみょう、仏教の儀式・法要で僧の唱える声楽の総称)を含んだ宗教歌を歌いこなす独自の活動実績が高く評価され、財団法人UFJ信託文化財団からの助成が決まった。常に目標を持ち進歩し続けようと練習を重ね、女性パワーに満ちあふれている同合唱団を取材した。
昭和五十四年七月、日野町必佐地区の婦人会有志が集まって発足した“必佐地区ままさんコーラス”が、同合唱団の始まり。同六十三年から天台声明の著名な研究者で作曲家でもある野條叡信氏(77、日野町在住)の指導を仰ぐ。声明と西洋音楽を融合させた宗教曲にも挑戦し、他の合唱団にはない独自の世界を築き上げた。
「合唱としての独特の声づくりにこだわっている。普通のママさんたちだが、声質に特徴があり専門家の評価も高い」と語る野條氏。平均年齢五十三歳の団員約三十人は、毎週火曜日の練習時は必ず自分の声を録音して予習・復習に生かし、指導内容を楽譜に書き留めるなど、野條氏も舌を巻くほどの熱心さ。
日常生活では味わえない仲間と歌う喜びや音楽の持つパワーを知り、団員らは地域住民にもクラシック音楽に親しんでもらいたいと、平成二年に「第一回午後のホームコンサート」を初開催。それ以後、毎年一回の定期コンサートを続けている。
平成四年には、現在の“日野女声合唱団”へ改名。進歩し続ける自分たちの姿を励みに、野條氏作曲の高度な仏教音楽も努力で歌いこなしてきた団員たちは、約六年前にローマ法王謁見(えっけん)を果たした。サンピエロ大寺院で信者三十万人を前に歌声を披露し、自信を深めた。
しかし、団員たちの目標でもあるコンサート開催は、ホール使用料や一流演奏家への出演料など資金調達が重い負担となっている。そこで、今回、UFJ信託文化財団の助成事業に応募し、全国二百二十六件の中から厳しい選考をくぐり抜け、助成対象の五十二団体の一つに選ばれた。
同財団理事は、七月十五日に催されるコンサートについて「野條氏作曲の仏教音楽も予定されており、興味深い演奏会といえる」と講評し、当日も同財団事務局が鑑賞に訪れるという。
西村代表は「私は宗教音楽に出会って七年目。難しいなと思ったこともあるが、これからも今まで通り歌い続けていきたい」と語り、他の団員同様にいきいきとした表情を浮かべる。
また、同合唱団は、必佐地区内外を問わず団員を随時募集している。入団希望者は、西村代表(0748―52―2489)まで問い合わせる。






