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資源循環―瓦が歩道に!
弦を結ぶ突起と筋跡
全国一斉に! 身近な水環境調査
滋賀報知新聞(ニュース)■平成17年6月19日(日)第14134号
▲瓦廃材を駐車場舗装に活用した滋賀初の説明会
過酷な自然条件から家屋を守る瓦。その瓦には、断熱性や調湿性、耐摩耗性などの優れた特性があり、石川県や三重県などでは「人・環境に優しいエコ商品」として瓦廃材のリサイクルに力を入れている。環境産業に遅れを見せている滋賀県でも、東近江市五個荘小幡町にある土田建材(土田真也社長)の関連会社の産業廃棄物処理業者・ツチダ開発(土田安子社長)とライズ(岩井田睦社長)が、瓦廃材の再商品化に成功。彦根市内の歯科医院駐車場でデモンストレーションを行い、各機関から注目を集めた。
土を約一一〇〇~一三〇〇度で焼き固めた瓦は、多孔質な特質から透水性に優れ、雨水の地下浸透型舗装として歩道や園路、駐車場舗装などに活用できる。また、熱伝導率が小さいことから日差しの照り返しが少なく、ヒートアイランド現象(地表温度上昇)の防止につながり、細かく粉砕した瓦廃材に樹脂やセメントを混ぜて舗装材に加工されている。
七年前から同事業に取り組む石川県の(株)エコシステムでは、県内の歩道や公共広場などに年間一万平方メートルを施工し、廃材の運搬から製造、販売、施工に至る一連のシステムを構築。さらに、ヒートアイランドの防止として、愛知万博メイン会場の周辺舗装材に採用された件は全国に知られており、これまでに東京や京都、奈良の業者にノウハウを提供したほか、ツチダ開発・ライズの技術相談にも応じてきた。
デモンストレーションに訪れた同社の取締役事業部長・高橋明氏は「石川県では、廃棄物を再生利用するマテリアルリサイクルを早くから推奨し、エコ商品の認定制度によって県内の物資循環を進めています。滋賀県ではこれからが本格始動とされ、先駆けて取り組まれた両社の活躍を見守りたい」と激励し、県内外の建設業者や行政機関とともに見学した。
三年以上におよぶ研究で、実現に漕ぎ着けたツチダ開発・ライズのエコプロジェクトチーム・鶫野真明氏は「毎年約一万五千トンの瓦が捨てられていますが、その形状ゆえに埋め立て効率は悪く、処分施設の不足も深刻化です。そこで、建設系廃棄物総合リサイクルセンターの建設と併せて、瓦の再商品化に取り組み、七月からスタートする滋賀県リサイクル認定製品に申請中です」と現況を紹介。
商品については「軽量なので、下層路体への重量負担を軽減できますし、滑りにくく気持のいい歩行感は高齢者や子ども、障害者にも優しい舗装です。これからは、リサイクルを理由に商品が売れる時代ではなく、機能や美的効果など、付加価値が認められないと市場に生き残れません。人と環境に優しいリサイクル商品として、循環社会に貢献できれば幸いです」と話し、県内初の建設系廃棄物総合リサイクルセンター(近江八幡市長光寺町)が完成次第、本格稼働したいという。
1600年前の「琴」出土
弦を結ぶ突起と筋跡
能登川町埋文で一般公開
(湖東・能登川町)
能登川町埋蔵文化財センターは十六日、同町林の石田遺跡から、約千六百年前の古墳時代前期のものと見られる槽作りの琴の上板が出土したと発表した。上板には、弦を結ぶ二つの突起と弦の筋跡も残されており、十七日から同センターで一般公開されている。
古代の琴は、弥生時代前期から奈良時代にかけての遺跡から出土しており、今回の発見で全国で百二十九例目、滋賀県では二十五例目となった。その形態は一枚板の「板作り」、ギターのように下部に共鳴槽が付いた「槽作り」、蒲鉾形の「甲作り」、箱状に板を組み合わせた「箱作り」の四種類に分けられ、四タイプの中で「槽作り」が最も多く出土している。
石田遺跡から見つかった琴は、弦を掛ける突起部分と、音を響かせる共鳴槽とを結ぶ孔の様なものがあることから「槽作り」と見られ、一緒に出土した多量の土器から、古墳時代前期のものとされる。ちなみに、石川県小松市の八日市地方遺跡出土のものが国内最古級(約二千年前、弥生時代中期)という。
長さは、残存で三七・八センチ、幅六・七センチ、厚さ一・四センチ。復元すると六つの突起が存在していた可能性があり、一般的な一メートル~一・三メートルの大きさだと言う。特徴としては、突起部分と反対側の端が刃物で切断されている点にあり、音楽考古学の第一人者で放送大学の笠原潔助教授は「古代の人々は音に霊力を感じていたようで、琴を廃棄する際、無力化する廃棄儀礼が行われたのではないか」と見ている。
琴の分布を見ると、畿内を中心に愛知県・岡山県から出土しており、いずれも湖沼などの湿地に点在。石田遺跡も、川や琵琶湖近くに築かれた縄文時代晩期から弥生時代後期の集落跡で、これまでにも国内最古級の馬鍬や、絹糸装飾黒漆塗木盾などの木製品が出土していることから、調査に携わった杉浦隆支主査は「酸素による風化の恐れのない湿地が天然の保存庫になったものと思います。また、葬送儀礼として琴が使われる習俗が畿内を中心に広まったのかも知れません」と分析している。
葬送儀礼に使われた可能性は、日本の習俗を示した魏志倭人伝にも記されており、人物埴輪にもその演奏の姿がかたどられている。だが、板作りから槽作りに変化していった過程や、畿内中心の広がりについて様々な研究がなされ、琴は日本固有のものか大陸から持ち込まれたものかは、見解が分かれている。
今回、出土琴に関してコメントした放送大学の笠原助教授は、放送大学研究年報で「板作りは弥生前期から、槽作りは弥生中期からの出現が確認されているが、日本の出土琴と明確な関係を指摘できる東アジアの琴筝類はない。ただし、弥生人たちが中国などで目にした撥絃楽器や、持ち込まれた楽器から創造した可能性は否定しない」とし、古代の日本琴は独自に生み出した楽器と見ている。
一方、龍谷大学の岡崎晋明教授は、大阪府弥生文化博物館図録で「弥生時代の琴に共鳴槽がつくようになるのは中国の瑟や琴の共鳴槽の影響を受けているものと考えられる。槽を持たないものから順次槽を持つものへと変化していったとも考えにくい」としている。
古代の日本琴はどのような役割を持っていたのか。遺跡との関連を含めて、祭祀の様子を考察する貴重な史料とされている。
100年間は継続したい
全国一斉に! 身近な水環境調査
NPO法人蒲生野考現倶楽部も参加
▲河川の水を採取するNPO法人蒲生野考現倶楽部メンバー
NPO法人蒲生野考現倶楽部(森田英二理事長)はこのほど、水環境の実態を明らかにし、その保全と修復を目的とした「身近な水環境の全国一斉調査」に初参加し、日野川と白鳥川の源流から下流に至るまで二十一地点の調査を行った。
身近な川の一斉調査は、昭和五十年代後半から琵琶湖の流域も含めて全国各地でそれぞれ行われてきた。しかし、調査の方法や項目などが統一されておらず、水質の測定精度も十分に保証されていなかったため、昨年六月六日に初めて「身近な水環境の全国一斉調査」が実施され、北海道から沖縄まで二千五百四十五地点の調査結果が集まった。
今年は、全国各地で水質調査を実践している市民団体から代表者が集い「全国水環境マップ実行委員会」(小倉紀雄実行委員長)を立ち上げ、国土交通省や財団法人河川環境管理財団と連携して、昨年同様に調査結果に基づき、水の汚れや実態が一目で分かる「全国の水環境マップ」を作成するという。実行委員には、同考現倶楽部の山崎久勝氏も加わっている。
子どもたちが課外活動として参加しやすいようにとの配慮から六月初旬の日曜日と決められている全国一斉調査は、今回、環境基本法で定められた“環境の日”と国連の“世界環境デー”でもある六月五日の記念日に重なった。
同考現倶楽部では、子どもたちも含めて約十人が早朝から集まり、日野川と白鳥川の源流から下流、そしてため池など、蒲生町・日野町・竜王町・近江八幡市・東近江市にまたがる二十一地点を手分けして、統一マニュアルに沿って調査した。
現場に到着すると、まず、天気を見て気温・水温を測り、慎重に水を採取。他の成分などが混入しないように、慎重に日野町鎌掛にあるしゃくなげ學校まで持ち帰り、パックテストによりCODを測定・判定した。
CODは、化学的酸素要求量または化学的酸素消費量といわれ、水中の有機物量の目安となり、生活雑排水から供給される有機物による汚れの指標として活用されている。
全国の水環境マップでは、約六千地点のCOD数値を河川ごとに地図上に示される。
同実行委員会は、身の回りの環境について、一般市民の理解と関心が深まることを期待し、よりよい姿に保全・修復するためにも、次世代に調査を引き継ぎ、百年間程度の長期間にわたり継続することを目標にしているという。






