社説

■平成29年4月27日(木) 第17792号

長島昭久氏の離党

 衆院議員5期、民主党政権下で防衛大臣政務官、内閣総理大臣補佐官、防衛副大臣などを歴任して、新たな民進党代表選挙に立候補することも検討し民進党の将来を背負って立つ議員の一人と云われた長島昭久衆院議員が民進党を離党し、無所属となった。
 長島氏は前回の衆院選で東京第21区から立候補したが小田原潔氏(自民)に僅差で破れ、比例東京ブロックで復活当選をしており、民進党の野田佳彦幹事長は「比例復活で当選しているので議員辞職が筋ではないか、なぜこの時期にということがわからない」と話すが、長島氏は「共産党との選挙共闘という党方針は受け入れられない」とはっきりと理由を語っている。
 日本の政治は政党を機軸として展開している政党政治で、民主的な方法である選挙で政権を争い、政党の代表者などが内閣を組織している。
 単独政党の政権もあるが現在は自民党、公明党の連立政権で内閣を組織して行政を行っている。
 そのため政権を奪った場合に意が全く異なる政党との選挙共闘で得られた議席はいったいどこの政党に属するのか、意が異なる政党と連立政権が組めるのかなど全く理解しがたい。
 野合といわれるように単に議席獲得だけの共闘では政権を奪っても分裂するのは時間の問題であろう。
 過去に民主党と連立政権を形成した社民党は普天間問題などで連立を離脱している例や非自民・非共産連立政権が細川内閣・羽田内閣で実現した例もある。
 意が異なる野合は議席が取れても連立政権は成立しないだろう。



■平成29年4月25日(火) 第17790号

山本幸三地方創生相の失言

 16日に滋賀県が主催して大津市で開催された地方創生に関するセミナーで山本幸三地方創生相の失言が相次いだ。
 「『地方創生』加速の戦略〜全国の優良事例〜」と題して講演したが、その中で「地方創生は稼ぐこと」と定義して話した。
 講演後にインバウンド観光振興について助言を求められたところ、海外の有名博物館の改装時に抵抗した学芸員を全員クビにして改装が実現した例を上げ「がんは学芸員だ、観光マインドが全くなく、一掃しなければ駄目だ」などと発言した。
 学芸員は認定された大学等を卒業して特定の単位を取得し、専門試験に合格して得られる資格であり、無資格でなれる議員や大臣とは全く異なる存在である。
 地方創生大臣からの発言とあって講演会参加者も伝え聞く国民もびっくりしたに違いないが、山本大臣は更に行政改革、国家公務員制度担当でもあり行革や公務員制度への影響もあり、石破茂前地方創生相の気遣いとは雲泥の差がある。
 17日に山本大臣は「学芸員にも観光マインドを持ってもらいたい趣旨の発言であり、言いすぎだったので撤回して謝罪したい」と発言撤回して、大臣を辞任する意向は示さなかったが、あまりにもレベルの低い発言で学芸員の職責を全く理解していないといえる。
 こんな大臣に地方創生、行政改革、国家公務員制度改革を任せて良いのか、もっと実力のある適任者はいないのか、特命大臣は単なる大臣職のばら撒きなのかと疑いたくなる。



■平成29年4月20日(木) 第17786号

ふるさと納税の主旨は何だったのか

 今月1日付で総務省は「ふるさと納税」への返礼品の価格を寄付額の3割以下に抑えるように全国の自治体に通知した。
 年々、「ふるさと納税」での税収増を目論む自治体は返礼品をより高価なものへと返礼品競争に拍車がかかっていただけに、戸惑う自治体も多いだろう。
 「ふるさと納税」は地方の子供達は地方で育てられ、都市部に就職すると都市部に納税するために、育ててもらった地方(ふるさと)に納税が出来る制度として創設された経緯がある。
 県市町振興課によると、2015年の寄付額の最高は近江八幡市で寄付金額が7億3621万円、返礼経費が3億1404万円で返礼率は約43%、2位の高島市は寄付金額が2億8119万円、返礼経費が1億3654万円で返礼率は約49%、3位は甲良町で寄付金額が1億180万円、返礼経費が1億180万円で返礼率は約100%、県合計で寄付金額が16億4855万円、返礼経費が7億9090万円で返礼率は約48%となっている。
 県下の市町にとって返礼品の価格を30%以下に抑えることは大幅な見直しを迫られることになるだろう。
 全国の税収の総額は一定であり、何処かの市町が多くとれば何処かの市町が少なくなることは分かりきっているはずであり、「ふるさと納税」制度の基本設計がなっていないと言える。
 過去に政府は様々な制度設計を行っているが、現実に即していない制度は机上の空論といえる。
 そのツケの全てが国民に回り、右往左往させられるのは国民だ。



■平成29年4月18日(火) 第17784号

復興大臣は鬼門か

 東日本大震災発生後、6月に東日本震災復興対策本部が設置され、震災復興対策担当大臣も設置されて、当時の松本龍防災担当大臣(民主党)が就任した。
 就任後、一週間足らずで村井宮城県知事との会談で「お客さんが来る時は、自分が入ってからお客さんを呼べ。いいか。長幼の序がわかっている自衛隊ならそんなことやるぞ。わかったか」と見下したような発言をして辞任。
 後任に当時の平野達男内閣副大臣(民主党)が就任し、野田内閣でも留任した。
 2011年12月に成立した復興庁設置法で復興大臣が誕生し、政権交代後は根本匠氏、竹下亘氏、高木毅氏が約1年刻みで復興大臣に就任したが、高木毅氏の場合は過去の下着に関する事件で辞任している。
 その後に今村雅弘氏が復興大臣に就任したが、今回の「出て行け、うるさい」発言となった。
 記者会見でのフリージャーナリストとの問答の詳細は、フリー「今村大臣は現状を知らずに人のせいにしている」、今村「人のせいにはしていない」、フリー「帰れない避難生活者がいる」、今村「帰っている人もいる」、フリー「責任を持って回答してください」、今村「責任を持ってやっている、何が無責任なんだ、撤回しなさい」、フリー「撤回しません」、今村「出て行きなさい。人を中傷誹謗することは許さんよ。うるさい」とたわいも無いやり取りだが、頭にきた今村大臣の負けだ。
 追い詰めるように質問を仕掛けた質問者にも問題があるだろうが、担当大臣は丁寧に説明する責務がある。



■平成29年4月13日(木) 第17780号

公示価格の下落に歯止めを

 先月、公示地価が発表され、県内の全用途の平均変動率はマイナス0・4%で9年連続下落し、住宅地の下落幅が大きかったことが要因だった。
 しかし、市町別の全用途平均率で草津、守山、栗東、野洲の4市では上昇し、大津市は4年ぶりに下落に転じている。
 公示地価は土地の取引価格に対して一定の指標となり、公共事業用地の取得価格算定の基準となるとともに、国土利用計画法に基づく土地取引規制の土地価格の算定基準などになっているために、公示価格が下がるということは個人や企業が保有する土地の資産価値が下がることになる。
 上昇した4市は駅からの徒歩圏内住宅地などの上昇が要因で、市町の街づくり構想が地価の上昇に反映していると思われる。
 その為、地方自治体は市民の財産を守るためにもしっかりした街づくり構想が必要で、街づくりが功を奏すれば市民の財産価値が上がる事になる。
 公示地価が上昇した4市の内、草津、栗東、守山の3市の人口増加率が4%以上と県平均増加率0・17%を大きく上回り、公示地価が市町の実力指数の一つといえるだろう。
 約8年後には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるために、住宅用地の需給バランスが崩れることも予想され、各市町は徹底した「住みやすい街づくり」を目指すことで地価の下落に歯止めをかけることが必要だろう。
 「住みやすい街づくり」、例えば人が動きやすい新交通体系などを検討することも一案ではないだろうか。



■平成29年4月11日(火) 第17778号

廃油での火災事故

 先月、17日に茨城県稲敷市釜井の工業団地にある産業廃棄物処理や油剤製品の製造を行っている三和油化工業茨城事業所で火災が発生して、施設内で保管している油などが入ったドラム缶などが爆発炎上した。
 火災は約2時間後に鎮火したが、爆発の恐れがあるとして同市は周辺の749世帯に避難指示を出した。
 保管されていた油は廃潤滑油、廃洗浄油、廃シンナー、有機合成の溶媒などの廃油で引火性が強く、燃えれば多量のダイオキシン、硫黄酸化物、窒素酸化物などが発生する。
 県下でも廃油の処理施設があるが、過去に施設の未整備によるダイオキシン発生事故や大気汚染事故が起こっている。
 処理施設がある市町では定期的に年数回の検査をしているが、それだけでは正しく処理されているのか、大気汚染物質を排出していないのかなどは断言できない。
 処理業者と申し合わせでの検査では、その場しのぎの対処をしていれば基準値以下の数値が得られるが、抜き打ち検査を行えば真実の数値が得られるだろう。
 市民の安心安全を守るためにも産業廃棄物の処理施設、特にダイオキシンなどの発生源となる処理施設に対しては抜き打ち検査が必要だろう。
 産業廃棄物処理を「業」として、県内の廃棄物は元より県外から持ち込まれた廃棄物に関しては特に厳しく対応すべきである。
 他府県の産業廃棄物で爆発の危険にさらされたり、滋賀の大気を汚染させてはならない。
 県民の安心安全を守るために廃油などの県内持込を徹底して監視すべきだろう。



■平成29年4月6日(木) 第17774号

被爆の恐ろしさを伝えるべきだ

 先月、国連本部で核兵器を法的に禁止する「核兵器禁止条約」の交渉が始まったが、高見沢将林軍縮会議代表部大使は「国際社会の分断につながり、現状では交渉会議への参加は困難」と交渉不参加を表明し、岸田文雄外相も「今後はこの交渉には参加しない」と閣議決定したことを説明した。
 交渉会議開催は昨年12月の国連総会議決で決まったが、オーストリア、アイルランドなど113カ国が賛成し、米国、ロシア、フランス、日本などの35カ国が反対し、中国、インド、オランダなどの13カ国が棄権した。
 日本の安全保障は米国の「核の傘」に頼っている為に、核兵器禁止条約の交渉に参加を見合わせたと思われるが、今まで世界で唯一の被爆国として核廃絶を訴えてきただけに、国民感情が米国の核の圧力に押し流された感がある。
 たった一発の核兵器(原子爆弾)で、広島では一瞬にして約12万2千人、被爆後5年間で約20万人が、長崎では約7万3千人、被爆後5年間で約14万人が亡くなった。
 その多くは非戦闘員であった一般市民で、核兵器は無差別殺戮をする「非人道的兵器」と言っても過言ではない。
 生物兵器や化学兵器の開発、生産、貯蔵等を全面的に禁止することを目的とした多国間条約に「化学兵器禁止条約」、「生物兵器禁止条約」があり、世界のほとんどの国が締結あるいは署名している。
 本当の核兵器の恐ろしさ、放射能の怖さは被爆国日本しか語れず、原爆犠牲者の死を無駄にしてはならない。


■平成29年4月4日(火) 第17772号

運転差し止めの仮処分決定は不当決定だった

 関西電力高浜原発3、4号機の運転を差し止めた大津地裁の仮処分決定について、大阪高裁は3月28日に関西電力の保全抗告を認めて差し止めを取り消す決定をした。
 高浜原発の3、4号機は加圧水型軽水炉で共に1985年に運転を開始したが、1970年代に運転を開始して事故を起こした福島第1原発の沸騰水型軽水炉とは構造が全く異なる。
 沸騰水型の原発は東日本に多く、西日本の原発はほとんどが加圧水型であり、原子力規制委員会の新規制基準に適合している原発は、現在、加圧水型だけである。
 新規制基準に適合した高浜原発3号機は昨年2月26日に再稼動して発電を始めたが、大津地裁の仮処分決定で同年3月10日に運転を停止し、4号機は再稼動に至っていなかった。
 同原発の再稼動を見越して関西電力は昨年5月1日より電気料金を引き下げる予定であったが、運転停止により電気を火力発電などの代替電源に頼るためにその燃料費などの負担が増加し、値下げは見送られた。
 高浜原発2基の運転停止による損失は1日あたり約3億円、1年間で1080億円の損失とも云われており、一般家庭や企業の電気料金でその負担をしているために、同原発が再稼動したなら電気料金の値下げは可能だろう。
 仮処分決定での損失は一般家庭や企業が負担したことになり、それはどこに請求できるのか。
 仮処分決定は「主張内容及び事業の性質に鑑み」だけで、申し立て者に担保を積ませず発令したことは不当決定だろう。



■平成29年3月30日(木) 第17768号

車を大切に、長期に乗れば税金が高くなる

 先月、神戸市埋蔵文化財センター(西区糀台)で、同センターの「冬の企画・昭和のくらし、昔のくらし」の一環として旧車運転同好会が「昭和の車ミニパレード」を開催して、昭和30〜40年代の8台のクラシックカーが参加した。
 参加車両はダイハツミゼット、スバル360、マツダキャロル、BMWイセッタ、トヨタパブリカ、シトロエン2CV、マツダ小型三輪T1500 で、各地から集まったクラシックカーのファンでにぎわい、50年以上前の自動車が今も動くことに驚きさえ感じた。
 何でも使い捨てる消費文化が時代の先端だと思うのは錯覚で、捨てるに捨てられないものが各家庭にたくさんあるように、ものを大切にする習慣は日本人の気質かもしれない。
 一方、自動車税事務所からは新車新規登録から11年を経過したディーゼル車または13年を経過したガソリン車については、その翌年度から自動車税が約15%加算される「重課」の通知が届く。
 愛情をこめて大切に使ってきた車、人生の様々な思い出を載せた車はいつまでも乗り続けたい気持ちは誰しもあるだろうが、その気持ちを逆撫でるような「重課」の案内だ。
 車は動かなくてはならず名車といわれたクラシックカーにも「重課」の看板がつけられて、廃車の道を辿るのか。
 自動車税のエコカー減税も良いけれど、排気量によって大気汚染度が増加するために、大排気量車が優遇される自動車税を排気量に比例するように見直すべきだろう。
 クラシックカーは日本人の心として特別減税をしても良いぐらいだ。



■平成29年3月28日(火) 第17766号

またもや「とんびに油揚げをさらわれる」

 東近江市議会3月定例会の代表質問、一般質問が9日から3日間行われたが、市内業者の育成に関する質問は無かった。
 先月27日に「市立能登川中学校大規模改修工事」の入札が行われた。
 予定価格、落札金額(落札率)は建築工事約8億円で6億3000万円(78・3%)、電気設備工事約2億5000万円で1億8150万円(72・5%)、機械設備工事約1億8000万円で1億3630万円(75・5%)であり、建築工事はヤマタケ創建(竜王町)、電気工事は中島電業所(草津市)、機械設備工事はアマナエレン(大津市)がそれぞれ落札している。
 地元にとっては総額約13億円の公共工事は大きく、地元業者の落札ならば地元下請け業者にも仕事が回るために地元に対する経済効果は大きいといえるが、僅差の金額で市外業者が落札すれば地元には何ら経済効果は考えられず、「とんびに油揚げをさらわれる」とはこのことだろう。
 県内の一部の市町では業者の社員に市民や町民が占める割合を加点として、入札金額が僅かに高い2番札の地元業者に落札させている例もあると聞く。
 一方、防災告知システムの入札は該当業者が30社以上ありながら、1社入札(本社・東京都)で予定価格の97%で落札しており、これは業者を指定した随意契約と何ら変わりなく、入札執行にあまりにも差異がありすぎる。
 東近江市民の血税は東近江市内業者に使う、業者は東近江市に納税する、単純なことで指名審査委員会は何をしているのか。