社説

■平成29年3月23日(木) 第17762号

議会、委員会の議論は粛々と

 17日、外務省所管を対象とする衆院外務委員会で本来なら周辺諸国の動向により緊張感が高まっている国際情勢などを議論する委員会で、民進党・無所属クラブの福島伸享議員は稲田防衛大臣の問題について質問し、更に「森友学園」問題についても安倍首相に問いただしたが、委員会外の議員がわざわざ外務委員会で質問をすることは当委員会での議論を逸脱している。
 「森友学園」問題は徹底して追及すべきであるが、外務委員会では国際情勢が緊迫感を増している現状について議論すべきだろう。
 前日の16日に参院総務委員会で小鑓隆史議員(自民党・こころ)の質問を傍聴したが、委員会では行政機構及びその運営、公務員制度、地方自治、地方税財政等を粛々と議論しており、小鑓隆史議員は「地方交付税、一般財源の総額の確保」について総務省の評価を求め、更に来年度の地方税法改正に含まれると見込まれる「森林環境税」について、森林を温暖化対策の吸収源としての位置付けをしているが、山間地域における地方創生など大事な事業で類似した税制もあり、「森林環境税」の創設の検討状況を問いただした。
 滋賀県では平成18年度から「琵琶瑚森林づくり県民税」が導入されており、「森林環境税」の考え方は先進県であり、小鑓隆史議員の質問は的を射ているといえる。
 雑音が多い衆院外務委員会と粛々と論議する参院総務委員会とは対照的だが、市町の議会では的が外れた質問をする議員もあり「議会の権威や何処へ」だ。



■平成29年3月21日(火) 第17760号

東近江市長杯での歓迎の言葉

 今月4、5日と布引グリーンスタジアムを主会場として「第6回東近江市長杯少年サッカー大会」が開催された。
 地元はもとより、近隣の府県から48チームが参加して、優勝の東近江市長杯を目指して激戦が繰り広げられた結果、今年は兵庫FC(兵庫県)が優勝をした。
 開会式が4日の予選が終わった後の午後6時30分より八日市ロイヤルホテルで開催されたが、式次第冊子には小椋正清東近江市長が恒例となっている歓迎の言葉を述べるとあったが、政務のため4日午後から上京しており、今年も歓迎の言葉を期待していた参加者はがっかりした。
 代わりに市長のメッセージを市川純代東近江市教育長が代読し、松田保滋賀県サッカー協会会長の挨拶などが続いた。
 県下でも市長杯の少年サッカー大会を開催しているのは東近江市だけで、関係者の挨拶では「サッカーに理解ある東近江市長から滋賀国体の成年男子サッカー会場であるグリーンスタジアムを整備することを確約して頂いている」と伺った。
 J1、J2に対応できるスタジアム整備は関係者の熱い要望だろう。
 市長の政務は地元選出の国会議員に対して様々な予算措置要請などで、ふるさと東近江市のためにも国の予算分捕り合戦に負けてほしくは無いものだ。
 グリーンスタジアムを1万5千席に増やしナイター設備も必要だろう。
 予選で使用した、少年野球やソフトボールも使用しているスタジアム内の多目的広場の人工芝生化は競技中の負傷を防ぐためにも必要だろう。
 次回の歓迎の言葉に計画の発表を期待したい。



■平成29年3月16日(木) 第17756号

東近江大凧まつりの再開はない

 2015年5月31日、「東近江大凧まつり」で100畳敷大凧(重さ約700kg)が落下して1人が死亡した「大凧落下事故」は市職員など3人が業務上過失致死の疑いで書類送検されて昨年の大凧まつりは中止されている。
 先月末の記者会見で小椋正清東近江市長は「捜査中であり遺族との補償交渉も解決しておらず、現時点では今年の大凧まつり開催は考えていない」と中止の意向を示した。市民も全てが解決しておらず大凧まつりの再開は望んでいないはずだ。
 「東近江大凧」は市町合併で新しく生まれた新市名「東近江市」を伝統ある「八日市大凧」に付け替えたに過ぎず、「八日市大凧」は300年の歴史があり「近江八日市の凧揚げ習俗」として国の選択無形民族文化財に選ばれており、文科省が設置している文化審議会の答申に基づき文化庁長官により選択された文化財をいい、16年3月現在全国で623件が選択されている。
 単に地名が変わったという理由で300年以上続く伝統行事の呼び名を簡単に変えるべきではなく、落下事故を起こした「東近江大凧」という名を、歴史伝統ある本来の名である「八日市大凧」に戻すべきではないだろうか。
 大凧まつりを再開するならば、伝統ある呼び名である「八日市大凧」を復活して、二度と悲惨な事故は起こさないという決意も必要だろう。
 「大凧落下事故は300年もの伝統を無視して呼び名を変えたからだ」という声がしばらく巷では聞こえていた。



■平成29年3月9日(木) 第17750号

教育は偏ってはならない

 学校法人森友学園が国有地を随意契約で鑑定価格の9分の1という格安で取得した問題が日増しに大きくなり、評価額が9億5600万円である国有地が1億3400万円で売却されたことに国民からは「その真相を明かすべきだ」との声が多い。
 文科省の天下り問題の追及には政府が先頭を切ってその真相を明かそうと安倍首相の一声で関係者が動いたが、この問題については安倍首相の腰は重く「会計検査院にゆだねる」の答弁に、何故天下り問題への対応と異なるのか疑問だ。
 会計検査院は税金や国債などの国の収入を各省庁が無駄なく適切に使っているのかをチェックする機関で、会計検査院で真相を明らかに出来るのか疑問で、国有地の売買の経緯を記録した書類は廃棄されており、真相解明は至難の業だろう。
 森友学園小学校の校長は籠池泰典氏であり、系列の学校法人塚本幼稚園の園長でもある。
 その運動会で園児は「尖閣諸島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心改め歴史教科書で嘘を教えないようにお願いいたします、安倍首相ガンバレ」と宣誓したが、言わされていたように思える。
 隣国の反日教育や反日運動に日本国民は怒りよりも悲しさを覚え、隣国の人々の心の貧しささえ感じた。
 園児の宣誓を聞いて一部の国民の心の貧しさを感じると共に、明日の日本を支え育てていく子供たちには決して偏った教育は行ってはならず、無心に宣誓する園児が不憫でならない。



■平成29年3月7日(火) 第17748号

またもや研修医の犯行か

 またもや研修医の犯行が明るみに出た。
 埼玉県警吉川署は2月16日に上西崇被告(31、千葉県船橋中央病院研修医、準強姦罪で公判中)、松岡芳春被告(31、東京慈恵会医科大付属病院研修医、準強姦罪で起訴)、柁原龍佑容疑者(25、東邦大学医学部6年)を逮捕、再逮捕してさいたま地検に送検したと発表した。
 上西被告は昨年10月以降同様の事件で5回逮捕されており、松岡容疑者は今回の逮捕は2回目である。
 「医師」は国家資格であり医師国家試験に合格して医師登録を完了したものに厚生労働大臣から免許が与えられており、上西被告は平成28年、松岡被告は平成26年に登録されている。
 「医は仁術」は「医は人命を救う博愛の道である(広辞苑)」ことを意味する格言であり、平安時代から続いている日本の医療倫理の中心的標語として用いられており、広く国民に定着して医療に対する安心感にも繋がっている。
 その医療に関わるものが女性の心神喪失や抵抗が出来ないことに乗じて姦淫する準強姦罪を犯すとは医療倫理のみならず人としての倫理観の無い不貞の輩(やから)だ。
 当然、罪は裁かれるだろうが、医師法において「罰金以上の刑に処された者、医師として品位を損する行為のあった者」として医師免許の停止、取り消しの処分が医道審議会から下されるだろう。
 罰金以上の刑とは「死刑、懲役刑、禁固刑、罰金刑」であり、準強姦罪は3年以上の有期懲役に処される為に医師免許の剥奪、国家試験の受験資格欠落は当然のことだ。


■平成29年3月2日(木) 第17744号

森友学園、売買契約の前に定期借地契約があった

 学校法人森友学園に国有地の払い下げを行ったことについて、多くの疑問があると衆院予算委員会が紛糾している。
 安倍首相が「私や妻が関係していたら首相も国会議員も辞める」と言い切り、名誉校長を務めていた昭恵首相夫人が辞任するなど、波紋を呼んでいる。
 国有地の払い下げの経緯は、国有地を2012年に他の学校法人が埋設物処理費用として2億5000万円を織り込んだ5億8000万円で購入の申し出があったが、国は「安すぎる」と断った。
 15年に森友学園は国有地の定期借地契約(同時に売買予約契約書)を結び保証金2730万円を支払い、賃借中の16年4月に森友学園が土壌汚染・地下埋設物の除去を行い国から「有益費(除去費用)」として1億3176万円の支払を受け、直後の16年6月に国有地を1億4300万円(10年の分割払い)で購入しているが、金額は非公開とされた。
 「有益費」は定期借地契約だから受け取ることが出来、その後定期借地契約をたった1年で終了して10年の分割払いで売買契約したが、その金額が不動産鑑定価格9億5600万円から実態を確認せずに財務担当者の積算した埋設物処理費用8億2200万円を引いた金額であった。
 国から有益費を得るために定期借地契約を結び、1年後に終了して鑑定価格から根拠の無い処理費用を引いた格安で森友学園は入手していることになる。
 巧みなからくりのようだが、事の発端は非公開で随意契約を行ったことにあり、本件はご破算にすべきだろう。



■平成29年2月28日(火) 第17766号

市民の心で築いてきた「びわこジャズ東近江」

 「ぽかぽかと春の陽気と にぎやかな音楽に誘われて ようこそ」と今年も4月22日(土)と23日(日)の二日間、東近江市役所から八日市駅周辺の約40会場で「びわこジャズ東近江9th」が開催される。
 「びわこジャズフェスティバルin東近江2009」で始まり今年で9年目、会場はお店、病院、造り酒屋などの駐車場、アピア八日市店のセントラルコート、近江鉄道電車内など皆さんが無償で提供してくれた場所が会場となり、市内外から3万人を越える数多くのジャズファンが集まり、東近江市の新しいイベントの誕生に市民みんなが歓迎した。
 特に近江鉄道さんは当時の課長さんや部長さんのご努力により近江八幡駅と八日市駅間を走る電車を無償で提供頂き、乗車運賃は必要だが電車内での演奏が実現し、「ガチャコンJAZZトレイン」が6往復してフェスティバルの目玉となり好評を博し、近江鉄道さんの全面支援で8年間走り続けた。
 しかし、9年目の開催に当って近江鉄道から「無償では受けられない」との打診があり、実行委員会のメンバーは突然の金銭の要求に困惑したが、「興行として開催していないジャズフェスの趣旨から考えると有償での対応は出来ない」と近江鉄道の担当者と話し合った結果、「ガチャコンJAZZトレイン」は走ることになった。
 更に、本年1月に八日市上之町にオープンしたスターバックス東近江八日市店は店内での演奏を気持ちよく受け入れるようだ。
 市民のボランティアで続いている「ジャズフェス」、市民の力で大切にしたい。



■平成29年2月23日(木) 第17738号

テロ等準備罪と治安維持法

 2000年11月に国際連合総会で「国際組織犯罪防止条約」が採択されて、重大な犯罪の共謀、資金洗浄、司法妨害などを「犯罪」とすることを締約国に義務付けたために、日本も法律を改正する必要があり「共謀罪」として提案されたが、過去に3回も廃案となっている。
 「共謀罪」が名称を変えて「テロ等準備罪」として2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会開催に合わせて政府は成立を目指し、今国会で論議されている。
 しかし、日本の法律で定義されている「犯罪」は法によって禁じられて刑罰が科せられる根拠となる事実や行為をいい、罪を犯して初めて「犯罪」が成立する刑法学上の行為(行為論)に基づいており、一部例外を除けば罪を犯す行為が無ければ「犯罪」は成立しない。
 罪を犯すために凶器などを準備すれば「凶器準備集合罪」などの犯罪に問われる場合もあるが、普通計画だけでは「犯罪」は成立しない。
 今回の「テロ等準備罪」は罪を犯すことを計画して準備すれば、それだけで既に「犯罪」になり、似通った法律が戦前にあった「治安維持法」である。
 同法は国体や私有財産制を否定する運動を取り締まる目的で作られた法律だが、自由主義、政府批判などが弾圧・粛清の対象となって、特別高等警察が思想警察として社会主義運動などを取り締まった暗い歴史があった。
 拡大解釈により言論を封じ込めることも可能である法律、特に「テロ等」の「等」は様々なケースが考えられるだけに言論の自由を奪いかねない。



■平成29年2月21日(火) 第17736号

非常勤職員にもボーナスが

 国や地方自治体の歳出のうち支出することが制度的に義務付けられている経費のことを「義務的経費」といい、職員の給料や議員報酬などの人件費、生活保護法や児童福祉法などに基づき公的扶助制度として対象者に支給する扶助費、国や地方自治体の借入金を返済するために必要な経費である公債費の三つからなっている。
 税収などの一般財源に占める義務的経費の割合を「経常収支比率」といい、その割合が大きければ財政構造の硬直化が進んでおり自由になる予算が少なく、その数字が80%を越えると財政の弾力性が失われ、90%を越えると財政構造が硬直化しているといわれ、地方自治体の運営に独自性が失われていく恐れがある。
 一般家庭に例えると20万円の収入があってもローンの返済、光熱費、食費など必ず必要な支出が20万円とすれば全く自由になるお金がなくなるために、光熱費や食費などを切り詰めて自由なお金を生み出しているのが現状である。
 総務省は地方公務員の非常勤職員の待遇を改善するために法改正案を国会に提出し、正規と非正規の格差を是正する「同一労働同一賃金」を推し進め、その結果非常勤職員には制度上支給ができなかったボーナスも支給できるようになり、非常勤職員などには朗報だろう。
 しかし、義務的経費が膨らむために各地方自治体の経常収支比率は悪化することは必至であり、財政構造の硬直化を避けるために義務的経費の削減が求められ、その検討が必要なときではないだろうか。



■平成29年2月16日(木) 第17732号

スマート化で失うものは

 関西電力は各家庭などに設置されている電気メーターを「スマートメーター」に交換しているが、2016年度に顧客の半数である約650万台の交換を終え、22年度には約1300万台の交換を終えて全戸導入が完了するとしている。
 現在設置されている電気メーターは円盤が回転することにより電気使用量を計測する「機械式メーター」、決められた時間帯ごとに電気使用量を計測する「電子式メーター」があり、どちらも毎月検針員が目視検針で使用量の確認を行っている。
 「スマートメーター」は30分ごとの電気使用量を計測・記録し、遠隔検針を行うために通信機能を搭載しており毎月の検針員が不要となる。
 その利点としては夏場や冬場の電気使用量のピーク時に地域単位や建物単位で電力供給をコントロールすることにより大規模停電を防ぐことが出来る、通信機能で電力会社に通知することにより検針員が不要となり人件費削減となる。
 問題点としては関西電力管内の約2千6百人の検針員が職を失うために失業率が向上する、通信機能を使うために個人情報が漏洩する恐れがある、測定が正確すぎることによる問題も起こってくる。
 携帯電話に代表されるように様々な機器に情報処理能力や管理・制御能力を持たせることを「スマート化」というが、スマート化が進めるスマート革命で人は職を失うことにもなり、スマート革命が人類に何をもたらすのかをしっかりと見据えて、人間らしさは失いたくないものだ。