中央政界特報

■平成30年7月12日(木) 第5367号

「政治特報」

 自民党総裁選は9月20日。安倍晋三首相の3選となるか。。注目されるのは小泉進次郎党筆頭副幹事長の動き。

 小泉氏が注目されているのは、総裁選への出馬ではない。
 これにはこんなことを言っている。 
 「候補者として名前があげられるのは有り難いことです。そうなれるよう頑張ります」
 自身の出馬は否定しているのに注目されているのは、「誰を支持するか」で。
 総裁選に出馬が間違いないのは安倍首相。
 そして石破茂元幹事長。
 「出馬の可能性あり」と見られているのは岸田文雄政調会長、野田聖子総務相。
 石破氏の意欲のほどは、安倍首相に対する激しい批判で明らか。
 今年に入ってから、安倍政治を徹底して批判している。
 IR問題ばかりでなく、森友、加計学園問題でも「野党と間違えるほど」(永田町筋)とまで言われるほど激しい。
 派閥研修会を7月16、17日に。すでに政策集も出来上がっている。
 野田総務相は14年の総裁選に対するリベンジを。
 このときの総裁選。推薦人にあと1人が足らずに出馬できず、安倍氏の無投票当選となっている。
 それだけに「今度こそ」と推薦議員集めにも自信を。
 岸田氏はぎりぎりまで熟考。
 総裁選まで2カ月余。現在の状況では安倍首相が国会議員を固めてきている。ほぼ3分の1を。
 二階俊博幹事長は「徹底的に支持する」とまで断言。
 石破氏は頼みの地方票をどれだけ獲得できるか。
 そこで小泉氏が注目されている。
 若手議員をまとめており、若手有志の勉強会「2020年以降の経済社会構想会議」をリード。
 石破氏は小泉氏に秋波を。
 「小泉氏が握っている若手議員が総裁選のカギになっている」(永田町筋)
 誰の支持にまわるか。小泉氏は固く口を閉じている。
 12年の総裁選では安倍氏ではなく、石破氏に投票していた。
 今度の総裁選ではどんな決断をするか。

「カジノ法案は」

 32日間の延長国会は7月22日まで。
 通常国会での会期延長は1回限りしかできない。
 このことから、会期末までわずかしかない。
 そこで注目されるのはカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案。
 働き方改革関連法案は6月29日に成立したが、まだ成立されずにいる法案が多く残されている。
 公職選挙法改正案、健康増進法改正案、などなど。
 その中のひとつがカジノ実施法案。
 与党が目指しているのは7月19日の参院内閣委での可決。
 果たしてその狙い通りにいくか。
 「まったく予断を許さない。可決されるかどうか、きわめて微妙」
 永田町ではそんな見方までされている。
 立憲民主党をはじめとした野党がどう出てくるか。
 カジノ法案を担当している石井啓一国土交通相の問責決議案、さらには参院内閣委員長の解任決議案が出されるということになれば、委員会審議は止まってしまう。
 野党の出方ひとつにかかっている。
 日本にも「カジノを」の声があがったのは1999年。時の石原慎太郎東京都知事が「お台場にカジノ構想」を口にしたのが始まり。
 安倍晋三首相は自ら14年5月にシンガポールのカジノを視察もしている。すでにあれから4年が経過している。
 現在、カジノ誘致に意欲をみせているのは北海道(苫小牧市、釧路市、留寿都村)、横浜市、愛知県常滑市、和歌山市、大阪市、長崎県佐世保市。
 この延長国会で成立となるかどうか、先行きは厳しい。

「ウーマンパワー発揮」

 女性の社会進出、女性の幹部への登用、そして女性の議員を増やす。
 いま盛んに言われていることだ。
 「女性の活躍の場を」は安倍政権の重要政策でもある。
 施政方針演説、所信表明演説の中でもそれを強調している。
 永田町においても「女性議員を多くする」は論議されている。
 野田聖子総務相は個人で、女性だけを集めた政治塾を。
 自民党は4月に政治に関心がある女性向けに「女性未来塾」を開講し、小泉進次郎筆頭副幹事長も講師に。
 国会議員に限ってみると、日本の女性議員は外国に比べ極端に少ない。
 ちなみに昨年10月の衆院選で当選した女性は47人。
 そんな中、31歳という女性町長が誕生している。
 新潟県津南町の桑原悠町長がその人。
 31歳と言う年齢は全国最年少の町長ということになる。
 いま全国の地方自治体では議員のなり手が著しく減少。
 無投票当選どころか、候補者不在というところまで。
 桑原町長は津南町の出身。東大大学院を修了している。大学院在学中の11年10月に同町議会選に出馬して当選。25歳で町議会議員になっている。
 結婚しており、1男1女の母親でもある。
 選挙は6月24日に投開票されており、町長として登庁するのは7月9日。
 全国に女性議員、首長誕生の引き金となるか。
 31歳の女性町長には永田町からも熱く注目されている。

「夕方を有効に」

 国会議事堂に隣接する千代田区霞が関。
 財務省、外務省を始めとした中央省庁のビルがひしめいている。
 営団地下鉄日比谷線、丸の内線、千代田線の各霞ヶ関駅から吐き出された人の流れは各省庁の建物に。
 7月にはいってから人の流れの時間が変わった。
 出勤時間、退庁時間がそれぞれくりあがっている。
 午後5時30分過ぎには続々と退庁。
 朝型勤務にきりかえて退庁時間を早くする「繰り上げ」が7月1日から行われている。
 国家公務員を対象にしたもので今年で4回目になる。
 午後4時以降の会議はカットされ、終業時間は1時間早くなっている。
 「繰り上げ」は超過勤務を減らすのが大きな目的。
 「繰り上げ」になってからの霞ヶ関は暗くなっている。
 通常の霞ヶ関は「不夜城」そのもので、各省庁のビルの灯りが消えるのはそれこそ真夜中になってから。
 日付が変わっても煌々と灯りがついたままのところも、あちこちに。
 霞ヶ関に近いのはサラリーマンの街の新橋、それに銀座にも近い。
 「繰り上げ」による消費増の期待も。
 だが、毎月の最終金曜日の終業時間を早くする「プレミアムフライデー」の効果は期待していたものより低くなっているのは事実。
 民間企業の参加も求めている。
 だが、これは伸び悩み。昨年、「繰り上げ」に参加した企業は3パーセントに届かなかった。
 8月31日まで続けられる。

「ひっぱりだこ」

 小泉純一郎元首相がひっぱりだこの人気だ。
 すっかり白くなったライオンヘアーで、あっちこっちを飛びまわっている。
 7月15日には自由党小沢一郎代表が主宰している「政治塾」で講演を。
 政治塾での講演はかつての小泉元首相と小沢氏の関係では「絶対に考えられなかった」(永田町筋)もの。
 自民党議員としてバリバリだったときの両氏は、それこそ正面から張り合っていた。
 小沢氏が自民党を離れてからは、こんどは政権の座をめぐって激しい火花を。
 小泉氏は2001年に政権の座につき、5年半もの長期政権に。
 小沢氏は自身は政権の座には就いていないが、新生党を結成し非自民の細川政権、そして09年には民主党政権を起こしている。
 対立ばかり。それがなんと手を握り合っての協調に。
 小泉元首相にラブコールを送っているのは共産党志位和夫委員長。
 6月24日、群馬県前橋市の演説で、志位委員長は小泉元首相の名前を。
 「協力してやっていきたい」
 今年の春、志位委員長は小泉元首相と会食し、永田町を「あっ」と驚かせているが、ラブコールにさらに熱がはいってきている。
 小泉元首相、志位委員長ともクラシック音楽が「なにより一番」という共通の趣味を持っている。
 小沢代表の政治塾での講演、志位委員長からのラブコール。
 これは「脱原発」にある。
 「原発ゼロ」で小泉元首相はモテモテだ。

「夏の草取り」

 7月22日、延長国会が32日間の幕を閉じる。
 関東甲信越地方は6月29日に梅雨明け。
 気象庁の発表によると、この梅雨明けは記録が残る1951年以降最も早い梅雨明け。
 梅雨の日数はわずか23日しかなかった。
 永田町は夏真っ盛り。国会議事堂の前にある全国の各自治体からの寄贈による樹々からはセミの鳴き声が。
 延長国会の会期末を待つように、週末は議員の姿が永田町から消えていなくなっている。
 議員はこぞって地元に帰っての夏の戦いに。
 とくに参院議員には今年の夏が勝負になる。
 来年夏には参院選挙が。衆院議員にとっても、夏は勝負。
 国内情勢、それに激しく動く国際情勢。いつ、どんなことで「解散」になるかもしれない。
 夏は国会議員にとって、外遊の季節でもある。
 党派を超えて呉越同舟で海外に出かけていく。
 だが、まず地元に戻っての田の草取りで夏は始まる。
 「若手議員にはこの夏こそが次の選挙での当選につながっていく」(永田町筋)
 各党にとっても夏が勝負。
 9月には自民党が22日に総裁選、公明党は30日に党大会、国民民主党も9月に代表選を予定している。
 その前にそれぞれ足場固めを。
 共産党は夏前に他の党より早く参院選1人区で19人の公認を決めている。
 3議席が改選を迎えるが、狙いは倍増。比例区では7議席確保を目指している。
 今年の夏は長い。酷暑との戦いになる。

「平成のうちに」

 2019年4月30日に天皇陛下が退位される。5月1日に皇太子さまが新天皇に即位。
 時代は大きく変わっていく。
 6月28日、国会内の一室に超党派の議員が約100人以上も集まった。
 自民党議員もいれば、公明党、日本維新の会、国民民主党の議員も、それに無所属の議員もいた。
 もっとも立憲民主党は独自の改革の道を。
 28日といえば木曜日。木曜日といえば自民党内の各派閥が昼食をとりながらの派閥会合をとることが恒例になっている。
 その木曜日に党派を越えて議員が会合を。
 100人以上の超党派議員が集まってひらかれた会議は「平成のうちに衆議院改革実現会議」。
 全衆院議員に呼びかけをした会議で、音頭をとっているのは自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長。
 会長には自民党の浜田靖一元防衛相が。無所属の細野豪志氏も副会長の一人に。
 音頭をとった小泉氏は事務局長。
 会議が立ち上げられたのは「平成のうちに衆議院改革実現会議」の名称そのままに、平成の元号がある間に、一つでも改革を実現していこうというもの。
 「小さなことでもいいから前に進めていきたい。与党だけではできない。野党の人にも本気になってもらわなくては」
 小泉氏はそう声を高くしている。
 第1回目の会議では、本会議での押しボタン投票導入などの意見が。
 また安倍晋三首相、立憲民主党枝野幸男代表がともに口にした「党首討論の使命は終わった」問題についての提言も出されている。